Chapter 21-4
ズゴォォォォォォォォン!!!!!

凄まじい衝撃で、城の屋根が吹き飛んだ。そしてそれは無数の瓦礫となって降り注ぐ。やがてその瓦礫の中から、アレクとクラリスがまず出てきた。彼らはクラリスのスクルト連発のおかげで、無防備であったにも関わらず軽いすり傷を負っただけだった。

そしてそれから暫くして、キースとディルが這い出した。
「やったぜ……!」
「ああ……!」
二人がそう言って、ハイタッチをしようとした時だった。

「おのれ……この私をここまで愚弄しおって……もう容赦せん! ここにいる全員皆殺しだ!!!」
「「………!!」」

おぞましい声が、城内に響いた。そして、辺りの瓦礫は再び吹き飛んだ。
「ぐわっ……!」
「ちっ……!」
二人は腕で目を覆う。ザルグがついに本性を現し、計り知れないほど強大で邪悪な闇の気を吹き出していた。
さらに体は一回り大きく、筋肉質になっている。
「この姿になったからには貴様らに明日は無い……私を怒らせたことを悔やみながら塵と化すがいい!!!」
「くっ……行くぞ!」
「喰らえ、暗黒斬……なっ!」
二人が仕掛ける前にザルグは行動を起こしていた。二人の胸倉を掴み、そのままぶつけ合った。
「ぐあっ!」
「ぐっ……!」
二人の呻き声が上がる。

「二人を放せ! メラゾーマ!」
アレクが叫ぶ。
「バカ! 二人に当たるかもしれないじゃない!」
というクラリスの声は、アレクの耳に入っていなかった。
しかし、ザルグは迫り来る火球をいとも簡単に蹴り飛ばした。強大な魔力を脚に纏わせ、跳弾させたのだろう。
「うっ……!」
「そんなに放して欲しいか、良かろう。受け取るがいい」
そう言って、ザルグは二人をアレクとクラリスに向かって投げ飛ばした。

「ぐああっ!!」
「くそおっ!!」
「うわあっ!!」
「きゃあっ!!」

四人は固まって、壁に叩きつけられた。

「くそっ……つ、強すぎる……!」
「この俺が……歯が立たねえなんて……!」

キースとディルは何とか立ち上がった。しかし、その体はもはや傷だらけである。さらに、アレクとクラリスは気を失っている。その光景を見て、ザルグはうっすらと笑みを浮かべた。
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