Chapter 21-3
「ライトニング・デスカッター!!」

見えない光の刃が二人を襲う。しかし、二人は右手をかざし、それを弾き返した。
「ふん! 大人しく殺されればよいものを……」
ザルグは吐き捨てるように言った。
「奴相手じゃ長期戦はきつい! ディル、速攻で片づけるぞ!」
「ああ、全力でぶちかましてやるぜ!」

「「はあああ!!」」

二人は剣に雷をこれでもかというほど収束させた。
そして、それを見たアレクがクラリスの腕を引っ張った。
「きゃっ! ……一体何よ!?」
「まずいよ、逃げなきゃ! あの二人、アルテマソードとダークネスソードを手加減無しでやるつもりだ! あんな力が二つもあったら、こんな城……!」
「待って、アレク! 瓦礫につぶされなきゃ平気よね?」
「まあ、そうだけど……」
「……スクルト、スクルト、スクルト、スクルト……!!」
「ちょっとクラリス、何してんのさ! 魔力がもったいな……」
「この戦いは何が何でも見届けなくちゃダメ! 元々私たちの出る幕は無いんだから、魔力なんかあっても無くても同じよ!」
「……分かったよ。お互いしっかりつかまっとかなきゃ!」
「ええ、飛ばされないように……!」
アレクとクラリスは互いの肩をがっちりとつかみ合った。
一方、いよいよキースとディルは必殺の剣を放とうとしていた。

「「うおおおお!!!」」

力を解放した状態であるため、前のそれより遥かに大きい威力である。しかも、それが二発重なったものがザルグを襲うのだ。
「おのれ、防ぎきれんか……ならば! ……ぬおおおお!」
ザルグは超巨大な電磁球を作り出した。これで相殺させようというのだ。

「アルテマ……」
「ダークネス……」
「「ソ――――――ード!!!!!」」
「おのれ……カオス・ボルテックス!!!」

とてつもないエネルギーが込められた球が三つ、激しくぶつかり合った。凄まじい轟音とともに、地面が揺れる。
しばらく均衡が保たれていたが、やがて二人の剣がザルグの放った電磁球をかき消し、そのままザルグに命中した。
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