Chapter 13-4
「バスラ様!」

一人の男が恭しくひざまずく。

「何だ?」
「実は……暗殺隊長のレジェス様がキースたちに敗れたそうです……」
「……そうか、レジェスもか……」
「バスラ様? お怒りでは……?」
「いや、もはや怒っている場合ではない。奴らはオレと戦った時より確実に強くなっている! 特にキースは……な」
「では、いかがなされるのですか?」
「……ここまできたら、オレが直接出向いて奴らを殺すしかない!」
「なんと、バスラ様自ら……!」
「……そういうことだ。オレが留守の間、全軍の指揮を任せた」
「はっ!」

バスラはマントに身を包むと、その場から消えた。


翌日、三人はガンディーノの城に向かった。
その途中、ある男が近寄ってきた。
「まさか……クラリスじゃないか!?」
キースとアレクはその言葉に飛び上がった。
しかし、それ以上にクラリスの言葉に驚いた。
「……知りません。人違いじゃありませんか?」
男はそれを聞くと、首を傾げて帰っていった。

「クラリス、あの人は誰なんだ?」
キースの言葉に、クラリスは首を振った。
「……知らないわ」
「そうか分かった。じゃあもう詮索はしない。よし、城に行くか!」


王は三人を歓迎してくれた。
「ガンディーノによく来てくれた。私はまだ若くて経験不足なんだが、よろしく頼む」
「え、ええ……よろしくお願いします」
「ところで、ここから行けるのはクリアベールかロンガデセオしかない。北と西に洞窟があるが、自由に通って構わないぞ」
三人の次の目的地はここでロンガデセオに決まった。

「ありがとうございました。では失礼します」
キースは一礼して、王の間を出た。アレクもそれについてきたが、クラリスは「先に行って」と目で合図してきた。
仕方なく二人は先に宿に戻ることにした。

残ったクラリスは王にたずねた。
「ここには……キルズグループがあるのですか?」
と。
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