Chapter 13-3
「えっ……なん……で……?」
そのままアレクにもたれかかるように倒れ込むキース。アレクはキースを支え、その後に背負って歩き出した。

「アレク、なんでキースを眠らせちゃったの?」
「……キースの顔色が良くなかったんだ。絶対無理してた。もう居なくなられちゃ大変でしょ?」
「そうね」
顔を見合わせ、二人は少し笑った。


長い長い地下洞窟を抜けて、ようやく外に出た。太陽の光が眩しい。
その光で、キースは目を覚ました。だいぶ顔色も良くなってきていた。
「アレク……?」
「あれ、起きたんだ。もうちょっとでガンディーノだからもう少し頑張ってね」
「ちょ……下ろせよ、もう平気だから!」
「いや、だめだ」
きっぱりとした口調だった。
「あれだけ言ったじゃないか。もっと僕たちを頼れ、ってね」
「そう……だったな。じゃあ悪いけどもうちょい休ませて貰うわ……」
キースは瞼を閉じた。

ガンディーノは現在、善政の続く賑やかな国で、国民も豊かな生活をしていた。
しかし、見て回りたい気持ちはあったが、キースのこともあるし、何より二人とも疲れていたので、最初に宿を取ることにした。

その夜、ふとキースが目を覚ました。隣で寝ているはずのアレクがいない。
「アレク?」
暗い部屋の中を見回すと、机に伏せているアレクが目に入った。
一瞬、「バカ、風邪引くぞ!」と言いかけたが止まった。とても気持ち良さそうに眠っているからだ。
キースはそっと、毛布と布団をかけてやった。そして、自分もベッドに戻ろうとしたとき、一冊の本が目についた。

その本は、ありとあらゆる呪文が載っており、何度も読み返されたようで、ページはボロボロだった。

「俺の知らない所で……みんな努力してんだな……特にお前はな、アレク……」
そう呟き、本をそっと戻して眠りについた。
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