Chapter 13-2
「馬鹿な……! 私の攻撃をもろに受けて、なぜまだ生きている!?」

レジェスは声の主に驚愕した。それもそのはず、笑い声は誰あろうキースの口から発せられていたからだ。

キースは少しして口を開いた。
「……こいつら二人はな、俺の仲間なんだ。大切な、かけがえのない仲間なんだよ!」
「くっ……だからどうした!」
「そんな二人がピンチだってのに……ちょっと腹を刺されたからって一人でお寝んねしてられるほど、俺は冷たい人間じゃ……ねーんだよ……!!」

キースが完全に立ち上がった。傷口からはまだ血が滴り落ちている。
「キース、無理しないで! 僕たちなら大丈夫だから!」
アレクが止めるが、キースは聞かない。

「お前、さっき命を賭けて俺たちを助けてくれたよな? 別にかっこつけたいわけじゃないし、恩を返すわけでもない。ただ、ただあのまま寝てられなかったんだよ。俺の頭がそれを許さなかったんだ」
「きっ、貴様……本当に人間なのか……!? くっ、死ね、死ぬのだ!」
レジェスはたまりかねたかのように、手にした短剣でめちゃくちゃに斬りつけてきた。やっとのことで立ち上がったキースにそれを避ける術はない。彼の顔に、どんどん切り傷が増えて血がにじみ出てくる。が、キースは動じない。
「……んな攻撃、腹の痛みで感じねーよ。アレク、剣構えとけ」
「うん、分かった!」
「よし。クラリス、頼む」
キースはクラリスに耳打ちした。
「ええ、分かったわ」

「行くぞ! ライデイン!」
キースは精霊の剣をかざし、ライデインを唱えた。二つの雷は大きな一つの固まりとなり、アレクの剣に凝縮される。
「今よ! ヒャダルコ!」
「よし、メラミ!」
「この……ぶわっ!」
ヒャダルコに構えていたレジェスはヒャダルコが突然メラミで溶けたことに対応しきれず、びしょ濡れになった。

「いけっ、飛ばせ――――!!!」
キースが叫ぶ。
「フラシグ!!!」
アレクはいつもより魔力を消費して、剣を速く飛ばした。

「くっ……ぐわぁぁぁぁぁ!!」
レジェスが悶える。
「そんだけ濡れてたら、感電するのは当然だぜ」
キースはピシャリと言い放った。
「くっ、やはり……甘く見て……いた……っ……」
レジェスは息絶えた。と同時に、キースも座り込んでしまった。
「いけね、貧血になっちまった……ひどい目眩がするぜ」
「大丈夫? ベホマ!」
アレクがもう一度回復呪文をかける。傷は癒えたが、流れ出た血は戻らない。依然としてキースの目眩は残っていた。

「サンキュ、もう大丈夫だ」
キースは立ち上がった。やや足元がふらついている。
アレクはそれを見ると、キースに近づいていき、
「ラリホーマ」
と唱えた。
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