Chapter 11-7
「うわ……高けぇな……」

キースが下を見て呟く。
ここは浮遊する陸地のようになっていて、遥か下に雲海を望むほどの高さに四人はいた。

「キース、向こうに何か見えないか?」
ラルドが指差した先には、洞窟のようなものが見えていた。
「一本道みたいだし、行くしかないわね」
「じゃあ、行くか!」
キースが先頭で、四人は洞窟に入っていった。

内部はかなり複雑だった。袋小路に迷い込んだことも何度かあったが、運良く敵には出会わなかった。
しかし、ついに敵が現れた。メタルハンター二体である。

四人は戦闘体勢をとるが、ここでアレクが重大なことに気がついた。
「キース、君武器が無いじゃないか!」
「ん? ああ、そういえばそうだな。道理で身体が軽いと思ったわけだぜ」
キースが少し笑う。
「いや、笑ってる場合じゃ……」

そうこうしている内に敵が襲いかかってきた。しかし、キースは先頭の一体に狙いをつけ、腰を深く落として真っ直ぐ相手を突いた。
キースの正拳突きを受けたメタルハンターは壁まで吹っ飛び、動かなくなった。

「メラゾーマ!」
クラリスは巨大な火球を作り出し、ラルドに飛ばした。
「???」
キースにとっては正気の状態で初めて見る技なので、少し首を傾げている。
「フレイン・ソード!」
ラルドが無数の火球と共に敵に突っ込んでいく。

しかし、火球は跳ね返されはしなかったが、四方にはじかれ、結局ダメージはラルドの攻撃だけになった。
メタルハンターはよろめいたものの、なんとか持ち直した。
しかし、キースは次の行動を起こしていた。
「どりゃあ!」
強烈な回し蹴りを叩き込む。
メタルハンターは完全に息絶えた。


「キース、一体君は何をしていたんだい? 向かうところ敵無しじゃないか」
「え? それは嬉しいな、どうも」
キースは笑って答えた。

しかし、ラルドから見れば、彼はもう自分たちの手が届かないような気がして、素直に喜べなかった。
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