Chapter 11-5
いよいよ出発。四人は神官に丁寧にお礼を言って、祠を後にした。

「で、アレク、これからどこに行くんだ?」
キースがたずねる。

するとアレクはキースに笑いかけた。
「もう僕はリーダーじゃないよ。リーダーが二人もいちゃ変だろ?」
「えっ?」
キースが間抜けた声を漏らす。
三人は笑っていた。

「私の旅のきっかけはキース、あなたよ。キースの好きな所に行きましょうよ」
「俺は強い奴にリーダーやってもらいたいが、お前なら願ったりだぜ」
「みんながキースの帰りを待ってたんだ。もう一度、リーダーをお願いするよ」

「アレク……クラリス……ラルド…………分かった、これからよろしくな!」

四人は笑い合う。皆、久々に心から笑えた瞬間だった。

「じゃあ、一回アリアハンに寄ってもいいかな。ちゃんと王様に報告しとかないといけないし」
キースの願いを、三人は快く聞き入れた。



再び来てみてよく分かる。やはり、城も城下町も、この世界で一番大きく賑やかだ。

「おお、久しいの。どうやら万事丸く収まったようじゃな」
「いろいろご迷惑をおかけして、すみませんでした」
「なに、終わり良ければ全て良し。そなたの無事をうれしく思うぞ!」
王は笑顔でキースの帰りを出迎えてくれた。それから、ラルドに気がついたようだ。
「ところで、所帯が増えておるな。その青年は初めて見る顔のようじゃが?」
「ああ、彼はラルドです。小さい頃からの知り合いで」
キースがそう言うと、ラルドは軽く会釈した。
「うむ、以後この老いぼれの顔を覚えておいてくれ。して、今回は何用じゃ?」
「はい、エジンベアで蘇った破壊神バルシドーを倒したので」
「なんと、それは真か!? 彼奴は世界を混沌に陥れる邪神と呼ばれていたはず……」
王が驚嘆の声を上げる。思わずキースは身を引いた。
「いや、倒したのは俺じゃなくて……」
「何言ってるんだよ。君があきらめなかったから、僕たちが手助け出来たんだよ。ね!」
「ええ、その通りよ。あなたがバルシドーを滅ぼしたといっていいと思うわ」
キースは照れ臭さとばつの悪さが入り混じったような表情で、頭を掻いた。その様子を見た王は、ますます口元を綻ばせた。
「ふむ、協力して倒したということじゃな。これからもそなたらの活躍を期待しておるぞ!」
「「「はい!」」」

王との謁見を終えて、四人はアリアハンを後にした。
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