Chapter 11-2
キースのベッドの横に腰掛けたアレクは、キースの寝顔を見ていた。
失踪する前よりもたくましく見える。

すると、ふいにキースの目が開いた。
「アレク……?」
キースはかすれた声で言った。
「うん、僕だよ。おかえり、キース」
アレクは笑顔でキースに返した。

キースは一瞬ほっとした表情を見せた。そして、口を開いた。
「本当に、本当に心配かけたな……ごめん……それから、ありがとう……」
囁くほどの声。しかし、アレクにははっきり聞こえていた。
「気にしなくていいよ。ただ、これからは約束して欲しい」
「……?」
「君は何でも一人で抱えすぎなんだ。僕たちは何のためにいるのか……ただ一緒に戦うためだけにいるんじゃないんだよ?」
アレクはゆっくりと話す。
「アレク……ごめんな、わかったよ……」
キースは目を閉じた。
「ね、約束してよ? それから、体が治ったら……また前みたいに君と旅がしたいんだ」
「えっ……?」
「今の僕がこうしていられるのは、君がいたからなんだよ。あの日、ガライの町で君に会えたから、クラリスやラルドとも旅ができるんだ。だから……もう一度みんなでバスラを目指して旅しようよ。いいでしょ?」
アレクはそう訊ねる。キースは迷ったような、困ったような顔をした。
「……でも……それは俺にとって許されることなのか……? 俺は……言ってみたらお前たちを見捨てたようなもんなんだぞ……?」
「気にしなくていい、って言ったじゃないか」
「……そうか……じゃあ、またよろしくな……」
キースは弱々しく笑った。
「うん、よろしく!」
アレクも、満面の笑みで返した。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -