Chapter 8-7
夜。

ドゴーン!! という轟音と激しい震動で、三人は目を覚ました。

窓を開けると、城の方角の空が真っ赤に染まっていた。
「なんなの、あの空……!?」
「城に何かあったのは間違いないな」
「行ってみよう……!」
三人は猛スピードで着替えを済ませ、装備を整えて城に向かった。


その頃、城では、王が地下の部屋で何かの儀式を行っていた。

「古より力を封じられし者よ……今ここに……我の前に姿を現せ!」

空が雷雲に包まれ、城に雷が落ちた。

(我を呼び覚ます者は誰だ……?)

地の底から唸るような声が部屋に響く。
「私はエジンベア王だ! 私の願いを聞いてくれまいか?」
王はそう告げたが、次の瞬間には体が炎に包まれていた。
何かを言葉にする前に王は事切れていた。

(我は誰にも従わぬ……すべてを闇に戻す……)
怪物は城内の人々を一人残らず炎に包んだ。

(足りぬ……血が足りぬ……)
そう言うと怪物は東に飛んでいった。


「ひ……ひどい……」
燃え続ける城の残骸を見ながら、クラリスがぽつりと呟いた。
「一体何が……?」
アレクも言葉が出てこないようだ。
「…………」
ラルドは目を閉じていたが、しばらくして言った。
「この禍々しい気配……悪の何者かがこの城の王に呼び覚まされたようだ。どうやらその魂は東に向かっ……まずいな、ノアニールが危ない……!」

ノアニールとは、エジンベアから東、ロマリアから北にある村である。
「このままほっとくと……」
アレクは震える声でラルドに先を促した。
「ああ、この世界が滅びることになる……」
「そんな……」
クラリスはショックを隠せない。
「とにかく、ノアニールに行くぞ!」
「「うん!!」」

三人は闇の魂を追って東に旅立った。
ちょうどその時、城が崩れ落ちた。
あとに残る城下町も、ところどころ燃え続けていた………。


〜続く〜
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