完全敗北宣言!  




嫌いだ嫌いだ嫌いだ。

遅刻ばっかりして、風紀委員の俺の手を煩わせるあいつが嫌いだ。
授業はサボってばっかりだし、テスト週間は遊び倒すし、真面目に勉強してる素振りなんてないのにそれなりの点数をとれるあいつが嫌いだ。
人との距離がうまくとれるあいつが嫌いだ。
小さな嘘をこまごまと吐くあいつが嫌いだ。
ノート提出日が近づくと焦って俺に借りに来るあいつが嫌いだ。
何をするにも強引なあいつが嫌いだ。
地味にモテるあいつが嫌いだ。
他の授業は寝てるくせに、体育になると嬉しそうなあいつが嫌いだ。
たくさん友達がいるくせに、移動教室や昼休みの時は必ず俺のところに来るあいつが嫌いだ。
女子に告白されても好きなやつがいるからごめんって断るあいつが嫌いだ。
何でもかんでも俺を優先するあいつが嫌いだ。
「シルバーが好きだ」なんて、俺の目の前で言うこいつが、大嫌いだ!

「……なあ、シルバーもさあ? 結構俺の事好きっしょ」

当たり? と嬉しそうなゴールドの頭をはたく。二人きりの教室に、乾いた音がやたら大きく響いた。もう日も暮れかけている時間帯だからか周囲からは何の気配もせず、校舎内は耳をそばだてなくても俺とゴールドの立てる物音が聞こえるくらい静かだ。妙にゴールドの声が近くで聞こえる気がするのは、この静けさのせいだろう。ああくそ、何で俺がこんな、いたたまれない気持ちにならなきゃいけないんだ。

「…っ好きじゃ、ない!」
「じゃあ嫌いなん?」

何とか搾り出した答えに、間髪入れずまた質問が返ってくる。いい加減にしてくれ。嫌い、嫌い、俺はお前が、ズカズカ俺の中に踏み込んで来るお前が、だい、き、ら……

「……嫌いだって、言えねーんじゃん」
「……」

ゴールドの言うとおりだった。さっきまであんなに嫌いだって思ってたのに、いざ口にしようとすると声が出てこない。

「ほら、素直になれば?」
「……分かってるくせに」
「分かってるけど、お前に言って欲しいんだって」

普段よりも柔らかい声音でそう言われてしまえば、照れ隠しの皮肉ももう言えない。

「そうだな……」

何回繰り返したところで言葉が俺の気持ちを変えてくれるわけがなかった。そうだよ、嫌いなんかじゃない。ただ、認めるのが癪だっただけだ。

俺のほんとの気持ちなんてお前の思ってる通りなんだから、今更言う必要なんてないと思うけど、でも、仕方ない。

「一回しか言わないからよく聞けよ?」

今日は俺の完敗だ。


完全敗北宣言!


「お前が好きだ、ゴールド」


******
そんな訳で1000hitリクエストの金銀学パロでっす!
学、パ……ロ……………?
すいません肝心の学パロ要素が完全にログアウトしました\(^q^)/

いや、あの、最初は遅刻常習犯×風紀委員長なお話を書いてたんですけど、あんまりにも長い&行き詰ったので、新しく書き始めたらこうなってですね……。ほんとごめんなさいorz

最初書いてた方もいずれあげるので、そしたら二択で選んでもらおうかなあ……(/ω・\)チラ

書き直しは拍手でもメールでも講義の時でも(笑)、いつでもお申し付け下さいませ!

ではでは最後になってしまいましたが、Yちゃん、すてきなリクエストありがとうございましたーっ!♪( ´▽`)



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