息もできない深海で、僕と、君は、生きていく。
それがどんなにおかしい事か、君に分からないはずはない。
気狂いじみた判断力、頭痛のような直感に、一も二もなく従うなんて、ちっとも君らしくないよ。
「ばかなこと言わないで」
何で信じてくれないの?
僕以上に君を好きな奴はいないだろ?
「だから僕の言うこと聞いて」
翡翠が僕を睨む。本当に悔しそうに。何時の間にか、噛み締められていたはずの赤い唇は開いていて、僕は苛立った彼の声でそれを認識した。
「誰が聞くか、ばかレッド!」
「なんで?」
「とんだ大ばかだ!」
どうして、君よりよっぽど正しいことを言ってる僕が、君にばかって言われなきゃいけない訳?
「分からないよ」
そう言って顔を上げたら、泣いていた。僕じゃなく、君が。
「お前と一緒がいいに決まってんだろ、ばか!」
泣きじゃくる君の言葉に目が覚める。
そっか、そうだ。躊躇うことなんて、何にもなかったんだよね。
「ごめんねグリーン」
「……もう間違うなよ、ばかレッド」
「うん。好きだよ、好き」
「俺もだ」
「……ちゃんと言って?」
「っ、俺も、好きだ!」
幼馴染で、好敵手で、男同士で。これから先僕らを待ち受けるのはきっと酸素のない世界だと言うのに、僕らはそれでもいいと思った。
僕は、君と、恋をしている。
その事実は誤魔化しようがないくらいに膨らんで、破裂して、溢れ出してしまったんだ。
息もできない深海で、僕と、君は、生きていく。
大丈夫。君がいれば、酸素なんか必要ない。
進化論
酸素が無くても生きていける。
そんな進化の代償に、君がいないと生きていけないような身体になった。
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酸素=互いの存在である赤緑のはなし。イミフorz
レッドさんはグリーンさんが好き。両思いで嬉しかったけど、自分と生きていくことは世間の目とか色々考えると厳しいしつらいよなって思い至る。
グリーンにそんな人生を歩ませたくない。
だから拒んだ。
グリーンさんはレッドさんが思ってるよりずっとレッドさんを好きで、ずっと大人。覚悟はしてる。だからただ連れ去って欲しいだけなのに、一緒に歩いて行きたいだけなのに、グダグダぬかすレッドさんに苛々。
そんでばかばか言い合った末、本当の両思いになる、という話です分かりませんよねごめんなさい(;´Д`A
悩み出すとウザいレッドさんとか書いてみたかったんです。
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