レッドの淹れてくれるココアはいつもやたら甘い。重度の甘党という作り手の性格が大きく反映されたそれは、今日もとろりと重たく俺の喉にはりついた。口内が焼け付きそうな甘さに、たまらず舌を出してしまう。そんな俺を見て、レッドは可笑しそうに顔を歪めた。

「何、そんな甘かった?」
「甘過ぎだ、ばか……」
「ええー? グリーンのは大分甘さ控えめなのに」

どこが控えめなんだ、どこが。
飄々と笑うレッドを軽く睨む。レシピ教えてあげようか、と笑う声に首を横に振って俺はレッドの襟を引っ掴んだ。

「責任取れよ、レッド」

一瞬だけ絡んだ視線が驚いて揺れたことに満足したから、今日は俺から誘ってやろうか。
キスの味は俺のココアよりも甘くて吐き気がした。やっぱり俺は、甘くないココアの方が好きだ。

だからレッド、砂糖漬けの愛より苦くても気持ちいい恋をくれよ。


甘くないココアを所望します


明日からは自分でココアを作ってみよう。甘過ぎなくて少しほろ苦い、あいつによく似た俺好みのココアを。

******
そんな訳で甘すぎない赤緑の話。
甘過ぎのココアはレッドさんの苦さで中和、って話だと美味しいと思います。





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