部屋に帰った後、私は制服のままベッドに寝転んだ。
頭がぐるぐるする。今日はわからないことばかりだ。

善逸と話をしてた人は誰なんだろう。
昔ってなに?私は昔から彼を知っている・・・?
幼馴染と思っていないって?

「だめだ。考えても全くわからない。」

情報量が多すぎる。何も考えたくない。
私はそっと目を閉じた。


「――ちゃん、名前ちゃんっ!」

誰かに呼ばれた気がして私は振り返る

「なーに?私は任務帰りで疲れてるんだけど?」
「なんだよー!俺だって帰ってきたばかりで疲れてるんだよお!」
「じゃあ今じゃなくていいじゃん・・・」

私は呆れたように彼を見る。
いつも任務帰りの彼はボロボロで顔が涙でベショベショになっている。
毎回俺は死ぬんだ・・・!って言ってる割には帰ってくる。丈夫なやつめ。

「まぁ、今回は大変だったよねぇ。柱も来てたくらいだし、さすがにひやっとしたよ。」

私は、ボロボロになった身体を引きずりながら歩いている。
これは、私の夢だろうか。なんでこんな格好をしているんだろう。
でもこの格好はとても私にしっくりきている。

「お互いボロボロだし、一緒に治療しに行こうか。」
「えぇっ!そんな名前ちゃんから誘われるなんて、あらやだ大胆ねっ!」

私は彼を無視して目的地へと向かう。疲れているという割にはうるさい奴だ。

「あーあ、早く鬼のいない世界になるといいなぁ。平和に暮らしたい。」
「名前ちゃんは鬼がいなくなったらどうしたい?よければ俺のお嫁さんになっても・・・」

彼はもじもじしながら求婚をしてくるが、それはいつも通りだ。
それを私はスルーして、考える。

「鬼がいなくなったら、女の子らしいことしたいなぁ。おしゃれな甘味処とか、隊服以外なものも来てみたいね。」
「それいいねぇ!甘味処なら俺が連れていってあげる!前に行きたい甘味処を見つけたんだぁ」
「じゃあ、次の任務終わったら行く?」

なんとなく、彼と一緒に行けたらいいなと感じた。
本当に何気ない話だったが、彼は嬉しそうな顔をしていた。

「そうだね!次任務終わったら行こうね!約束だよ、名前ちゃん」


約束を守れなくて、ごめんね。


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