「名前ちゃん?不安そうな音が聞こえるけど、どうしたの?何かあった?」
「・・・さっき善逸と一緒にいた女の子可愛らしい人だったね。お似合いじゃない?
いい人そうだし、付き合ったら?」
「・・・え?どうしたの、急に」

善逸が不思議そうな顔をする。いつもの名前ちゃんらしくないよって私に言う。
そんなの自分が一番わかってる。

「ほ、ほら、そろそろさ、私も彼氏なんてほしいなぁ・・・なんて。
ずっと善逸と一緒にいるわけじゃないしさ。お互い恋人いたっておかしくないじゃない?」

そう私がへらっとしながら言うと善逸はびっくりしたような顔をして、むっとした顔になった。

「は?それってどういうこと?名前ちゃん好きな人でもできたの?いつ?
俺やだよ?離れるなんて絶対に嫌だ」

善逸が私の手を急につかんできた。
えっ?と思った瞬間。彼は私を抱きしめた。

「もう嫌なんだ・・・。名前ちゃんと離れるなんて、俺おかしくなりそう。
だって昔、同じことしてどうなったと思う?置いて行かれた気持ちわかる?」
「昔ってどういうこと?私は善逸を置いていったことなんてないよ。何の話をしているの?」

彼はどうしてしまったんだろう。誰のことを言っているの?どうして泣いているの?
私は何かを忘れてしまっているのだろうか。

「ごめんね、名前ちゃん。俺は一度も幼馴染なんて思ったことないよ。」

抱きしめていた身体をそっと離して、帰ろっかってつぶやいた。
そんな彼に私は、何も答えることができなかった。


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