次の日の朝
私の目はとても重かった。

「目がおっも・・・、大丈夫かなぁこれ」

泣きすぎたせいか、すごく瞼が重い。
少しでも治そうと目を冷やす。

「今日も学校だし、嫌だなぁ」

朝なんて校門に絶対風紀委員とかいるし、気まずさしかない。
なんとか学校休めないかと考えるが、失恋で休むなんてできないからしぶしぶ行くことにした。

学校に近づくにつれて足が重くなっていく。
何かの間違いで今日は風紀委員いないとかないかなと考えるが、そんなことはなかった。
目線を校門前に向けるといつも通り彼がいた。髪が金髪だから余計にわかりやすい。
せめて一番遠い所から校門に入ろう。私はなるべく目立たないように進む。

「あ、名前ちゃん!待って」
「おはよう。ごめんね、急いでいるから」

さっそく彼に呼び止められてしまった。
私はなるべく平然と答えるようにつとめた。と思う。
でも自然と早足になってしまう。

「っじゃあ今話さなくていいから、あとで携帯確認して!」
「・・・・」

私は返事をせずに立ち去っていく。


私はガラリと教室を開ける。

「おはよう、みんな」
「おはよ・・・て、目やばくない?」
「やっぱり?」

友人にも指摘されるくらいにはひどいようだ。
私はポツリと話す。

「別れちゃった」
「・・・マジ?なんかあったの?」
「そうだなぁ、気になる人がいるみたい」

私はふんわりと別れたことを伝える。
理由を話すと友人は少し怒っているようだった。

「なにそれ、好きな子いるのに付き合ってたってこと?」
「そこまでは聞いてないや、でも私は大丈夫だから」
「その顔で大丈夫って説得力ないわ」

文句言ってこようか?と言われたが私は丁寧にお断りした。
悪いのは私であって、彼は全く悪くないのだ。
しかしこの顔のまま過ごすのは少し忍びない。

「そんなにひどいようなら、少し保健室で休んでようかな」
「そうしたほうがいいよ」

登校したばかりで申し訳ないけど、保健室に行こう。
友人たちもノートは取っておくからと言ってくれたので、ありがたく行くことにした。
保健室に向かう途中チラリと窓から校門を見たけど、もう彼の姿はなかった。


「失礼します」

私は保健室に入ると、先生以外いないようだった。
先生に調子が悪いのでベッドで横になりたいと伝え、ベッドにもぐりこむ。
そういえば、携帯確認しないとと思い出すが、急に瞼が重くなる。
少しだけ眠って後で返そうと瞼を閉じる。

遠くから扉の開く音が聞こえたが、私には誰が来たのか確認するほどの気力はなかった。
誰かいるのはわかっているが、私はそれを確認せずに眠りについた。



*PREV END#

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