今日は少し寝坊してしまって、私は急いでいた。
まさかなんとなく見たドラマがあんなにおもしろいとは。
いつもより遅くまで起きてしまったので、起きるのに時間がかかってしまった。

「ま、間に合うかな・・・?」

走れば余裕で着く予定なのだが、私は時間に余裕を持ちたいタイプなので急いでしまう。
はぁはぁと走っていくと校門が見えてくる。
朝の校門前には風紀委員の善逸くんと冨岡先生がいる。
私は走るのをやめて、彼に近づいていく。

「おはよう、善逸くん」
「あ!おはよう名前ちゃん!今日はいつもより遅いね?」
「ちょっと夜更かししちゃって・・・」

軽く彼と話をする。ほぼ毎日委員会やっていてえらいなぁと思う。
今日も一緒に帰れるのか聞こうとしたら横から話かけられた。

「おい苗字。そのスカートの丈は校則違反じゃないか?」
「あっ!まずい!じゃあね!善逸くん!」
「おい、待て」

私は冨岡先生につかまりたくないので急いでそこを後にする。
彼のほうを見ると手を振ってくれたので私も振り返す。
そんな些細なやり取りが、少し心地よかった。

「おはよう、みんな」
「おはよー名前。あんたの彼氏毎日大変そうねぇ」
「風紀委員大変そうだよね。というより冨岡先生についていけてるのがすごいよ」

教室の窓から校門のほうを見る。
善逸くん、女の子に毬投げられてる。痛そうだなぁ
先生もなんで善逸くん叩いているんだろ?そういえば地毛についてしつこいって言ってたな。
彼を見ていると飽きない。
思わずふふっと笑ってしまう。

「あんた本当に彼氏のこと好きだねぇ」
「え!?なんで!?」
「むしろ気づいていないの・・・?鈍感過ぎじゃない?」

そんなにわかりやすい態度をしていたのだろうか。
そう思うと少し恥ずかしくなる。
私は話題を変えようと話を振る

「そ、そういえばそっちこそ彼氏とはどうなの?」
「あー、あいつ浮気ばかりするから別れた」
「え!?そうだったんだ・・・」
「名前が気にすることはないよ。あいつが悪いんだから」

少し気まずい雰囲気にしてしまった。
でも友達は本当に気にしていないようだ。

「次、いい人見つかるといいね!」
「当り前よ。もっといい男探すんだから」
「本当に見つけてきそう」

あははと私たちは笑い合う。
しかしふと友達が話し出す。

「そういえば名前の彼氏も女の子好きじゃなかった?」
「あー、うん、そうだねぇ」
「気をつけたほうがいいんじゃない?ほら、校門見てみなよ」

私は言われたまま窓から校門を見る。
彼の腕にまとわりついて胸を当てている女の人がいた。
結構制服を着崩しているから、見逃してもらうためにくっついているのだろう。
善逸くんも顔真っ赤にして、なんか気持ち悪い顔してる。

「あんたの彼氏、女の子好きで有名じゃん?だからああやって色仕掛けして見逃してもらおうとしてるのが多いらしいよ」
「・・・そうなんだね」
「ま、まぁ付き合ってるのは名前だし、あんまり気にするな!」
「・・・うん。でも女の子好きなのは知ってたし、それくらいしょうがないよね」

それを狙って付き合ってる自分がいるしね。
彼のことをとやかく言うつもりはないけど、ちょっとモヤモヤする。

「あんまり辛いようなら、別れるっていうのも選択肢にいれときな」
「考えとく」

期限はないけど、必ず別れは来るものだ。わかってる。


いつも別れを見つめて
本当の恋人になりたいって言ったら困るかな?



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