そんなやり取りを終えて私は、学校近くのカフェへと向かう。
校門で待ち合わせをしてもよかったのだが、カナヲちゃんは先にカフェで待っててくれる?
と言うもんだから、一足先にカフェで待つことにした。

「お待たせ、名前。遅くなってごめんね」
「全然いいよ!むしろ突然お誘いしてごめんね!」

私がカフェラテを注文し、席についたあたりで丁度彼女が着いたようだ。
カナヲちゃんに何飲む?って聞いたら私と同じものでいいと言うので、店員さんにもう一つ同じものお願いしますと注文をした。
カナヲちゃんの飲み物もきたところで、カナヲちゃんは口を開く。

「どうして今日私を誘ってくれたの?」
「そ、それは・・・」

それはそうだ。だって私たちは知り合ってからそんなに日は経っていない。
それでも私はカナヲちゃんとどうしてもお話をしてみたかったのだ。
彼女から感じる懐かしい気持ち。確かめられずにはいられなかった。

「突然おかしなことを言うかもしれないけど、私とカナヲちゃんってどこかで会ったことある・・・?」
「私と、名前が・・・?」

カナヲちゃんはこてんと首をかしげる。
そうだよね、変なことを聞いてるよね。はぁぁと私は項垂れた。

「名前は・・・覚えているの・・・?」
「えっ、何が・・・?どこで会ったかってこと?それが思い出せないんだよなぁ」
「・・・そっか。なんでもないの。」

彼女が小さく笑う。それを見て私は悲しい気持ちになった。
まただ。善逸と同じような顔をしている。どうしてだろう。
どうしてこんなにも心がざわつくのか。私は何かを忘れているの?


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