私たちの関係はいつまで続くのだろうか。
勢いで契約してみたけど、期限を設けるのをすっかり忘れていた。
私は別にいいけど、だからといって彼をいつまでも縛るわけにはいかない。
考え始めると居ても立っても居られなくなったので、彼に聞くことにした。

「すみません、我妻善逸くんはいますか?」
「あ!君は善逸の彼女の苗字さん・・・?」
「あ、そうです。あなたは確か竈門くん?」
「そうだ!いつも善逸が世話になっているな」

彼の友人という竈門くんが呼んでくれるらしいのでしばらく待つ
竈門といえば有名なパン屋さんだよね。今度買いにいってみようかなぁ
竈門くんに連れられてきた彼は少し驚いていた。

「あれ?名前ちゃんどうしたの?」
「突然呼び出してごめんね。今時間あるかな?」
「全然大丈夫だよ!炭治郎!伊之助!ちょっと抜けるわ」

そう彼は言い残して教室から出る。
私たちは屋上へと向かいつつ、恋人アピールは忘れない。
しっかりと私たちは手を繋いでいく。こういうことできるのもいつまでだろう。
たまに友人とすれ違うと、ニヤニヤとした顔を向けられる。
それを見ない振りして私は目的地へと向かった。

屋上には幸い誰もいなそうだ。
私たちは適当な場所に座って話をすることにした。

「本当ごめんね、突然。話したいことがあって」
「大丈夫だよぉ。むしろ名前ちゃんとお話しできてうれしい」

たまに思うのだが、彼は天然タラシか何かなのだろうか?
こう、なんでサラッとこういうこと言えるのかな。恥ずかしくないのだろうか。

「あのさ、ちゃんと話さなかった私が悪いんだけど、この関係いつまでにしようか?」
「えぇ!?そういう話!?確かにそうよね。決めないとだよね・・・」
「うん、さすがにずっとってわけにはいかないからね・・・」

本当は契約なんて終わってほしくない。
ずっとこのままがいいな・・・なんて思う私は最低だ。

「うーん、名前ちゃんのタイミングに合わせるよ?無理して期限決めなくていいんじゃない?」
「え?それでもいいの・・・?」
「いいよ!だってもし長ければそれだけ名前ちゃんと仲良くできるんでしょ?」
「・・・善逸くん、よく人に騙されない?」
「なんでわかるの!?」

そんなに俺ってわかりやすいかなぁと項垂れている彼を見ているとふわふわした気持ちになる。
こんな人と本当の恋人になれたのなら、毎日が楽しいだろうな。
思わず私はおもしろくなってしまってふふっと笑ってしまった。

「・・・名前ちゃんは笑っている顔の方が素敵だね」
「んん!?ど、どうしたの!?」
「少し、元気なさそうだったから。でも今は元気そうでよかった」

ふわりと笑うものだから私の心臓は跳ね上がる。
あまり私の心をかき乱さないでほしい。
善逸くんを見るとニコニコとしている。なんか余裕そうなのが少し悔しい。

「じゃ、じゃあ期限はなしでお願いします!」
「うん、わかった」
「期限までは彼氏としてお願いします!だから善逸くんもこれまで以上に私を彼女だと思うようにね」
「それってもっと愛情表現していいってこと?」

スッと私の髪をなでる
あまりにも優しい触り方だから、錯覚してしまう。
私のこと好きなのでは。と
そんな愚かなことを考えてしまうくらいには。

「えー?どうしようかな?とりあえずは期限までは私以外とは付き合わないでね」
「やだ!そこ流しちゃうの!?そりゃ名前ちゃん以外と付き合わないよぉ・・・」

私はあえて流して話を進める。
そして、少しだけ独占欲出すくらい許してね。

「私も善逸くん以外付き合わないから安心して!」

期限まで私は彼のこと愛するから
君も終わりの日まで愛して

なんてね。



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