4月
春、入学式
私は中高一貫キメツ学園に入学することになった。
どんな学園生活になるのだろうと思いを馳せつつ、校門に向かっていくと
やけに派手な髪色している子と、今時竹刀を持って服装チェックをしている先生らしき人がいる。
しかしよく見ると二人とも顔整ってない?と思いぐるっと回りをみると

「マジかぁ・・・みんな顔面偏差値高くない?」

目の瞳孔が開いている人や、なぜか傷だらけの人、そしてパーカーを着ているだけなのに派手にイケメンな人。
たぶん教師なんだろうけど、みんなどうした?普通とは?

制服を着ている人たちもそうだ。
髪を片側に結んでどこか遠くを見つめている人や、なぜかフランスパンを咥えている子。口元に傷がある子もいる。
何かしら特徴的なのに顔面偏差値が高いせいで全てプラスに見えてしまう。

もっとましな人はいないのか・・・と後ろを向くと

なぜか素肌にシャツしか着ていない、やたらイケメンな人とその隣には
服装が整えられているが、耳飾りが特徴的な男の子がいる。

その耳飾りが特徴である男の子を見た瞬間

私は彼に恋をした。
一目惚れだった。


私は考えるより先に行動に移していた。

「あのっ!初めまして!私は苗字名前と言います!あなたの名前をお伺いしてもよろしいでしょうか!?」

私がいきなり大きな声を出すから、周りの目は私に集まった。
しかしそんなことを気にする場合ではなかった。
私は彼のことを少しでも知りたい。今しかチャンスはないのだ。

彼は一瞬キョトンとしたあと、笑顔で
「俺?俺は竈門炭治郎!よろしくな、苗字さん」

隣にいた子も、俺は嘴平伊之助だ!と何か言っていたが、どうでもよかった。
そんなことより、私は彼の名前を聞けて心がキュッとなる。

「よ、よろしくね!竈門くん!」

名前も素敵だ、竈門くん。心の中で何度も彼の名前を繰り返す。
溢れる思いが止まらない。
だから私は、彼に伝えるのだ。

「竈門くん!好きです!」

周りがざわっとした。
彼はポカンと私を見た後、えっ?って少し顔を赤らめて私に言う

「ごめん・・・、気持ちは嬉しいんだが、俺たちまだ会ったばかりだしな・・・」

彼は少し困ったような顔をして、私に申し訳なさそうに伝える。
わかってるよ、竈門くん。私も無謀なことをしていると
だけど私はあきらめることができないのだ。

「大丈夫だよ!竈門くん!確かに私たちは出会ったばかりだから困らせてごめんね?
これから私のことを知ってくれればいいからね。」
「ということは、友達からでということでいいのかな・・・?」

その答えに私はニコッとする。
彼もつられてニコッとしているが、そんな表情も素敵だ。

「私は、あきらめないからね」

私は彼に伝える



「君が好きだよ、竈門くん!」

そう宣言をし、私の高校生活は始まるのだ。





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