そっくりな



「千歳千歳千歳〜!」

道端で見つけた綺麗な花。

「金ちゃんどぎゃんしたと?」

「タンポポ見つけたんやタンポポ!」

大好きな人みたいな花。
はよう見せたくて走った。

「こっちや、こっち!」

大好きな人、千歳の腕を引いて走り出す。

「金ちゃんは元気やねぇ」

「あっ、すまん!勢いよすぎてもうたわ」

思い切り引っ張ってきすぎて千歳はほんのちょっと苦笑いした。

せやからそこでハッと気付いて走るスピードを緩めて手を繋ぎ直す。

「千歳?」

そしたら千歳が喋らんくなったから顔を覗き込む。

「!…ちょ、待たんね」

焦ったように目を逸らす。その頬は赤い。何や、照れとったんか。

「千歳はやっぱりかわええなあ!」

その反応が嬉しくて嬉しくてワイは笑顔になる。千歳も照れた顔で笑った。



「それや!それ!」

お互いひとしきり笑ううちにワイの見つけたタンポポのある場所に着いた。

「ぽかぽかすったい、それに綺麗か」

「せやろ!」

タンポポを見つめて微笑む千歳。花なんかより綺麗なんは嘘なんかやない。

「これ、千歳みたいやろ」

しゃがみこんでタンポポを見つめる千歳に言う。

「なしてそう思うと?」

ワイの言葉にキョトンとした顔で聞き返してくる。

「タンポポって土ん中で長い根っこ張っとってごっつ強いねん」

「うん、」

「でもそれを周りに見せたりはせぇへんねや」

それって凄いことやん。

「そんで、儚く舞うやろ」

強いんやけど儚いとこもある。せやけど

「せやけど、また次の年も綺麗な花…色んな場所で咲かすんや」

それってな

「強くて優しい千歳そっくりやと思わん?」

ワイの言ったことに千歳はほんま驚いとる。

「そ、そぎゃん大層なもんじゃなかよ」

そうやって言うけど

ワイ、ホンマに千歳そっくりやと思うねん。

「千歳は皆を笑顔にしてくれんねんで?」


「皆の笑顔を咲かせてくれるんや!」


「…それは凄いことやけど!そんだけやなくてたまには弱いとこも見せてな」


何か言われる前に伝えたいことを伝える。

「金ちゃん…」

「んでな、一番言いたいんは…


そんな千歳が大好きや!」


そんでもって


どんな千歳も好きや。


「……ありがとう、俺も好いとうよ」


伝わってくれたのか、ワイの大好きな人は笑ってくれた。


あの優しい顔で。



大好きな大好きな人と



それに似た花。





(千歳がタンポポにそっくりなんやなくて)(タンポポが千歳そっくりなんかな)(…まあ、ええ)(どっちにせよ、ワイは千歳が大好きなんやから!)










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か、可愛い\(^O^)/
ぐすくさんあ、あああありがとうございます!いや、もう嬉しくて震えました。咽び泣きました。ほのぼの可愛い金ちとは正にお花畑です!ほのぼの…可愛い…このやり取りをこっそりひっそり覗きたい…出血死しちゃうと思うけど、形振り構わずこっそりしたい!あわわわ本当にありがとうございます!もうぐすくさんに一生ついてゆきます!!











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