もっと甘い嘘がいい



噛みつくようなキスが角度を変えて幾度も千歳に襲いかかる。息をする間もなく、酸欠状態の頭がくらくらとした。そして、痺れるような大人しくて長いキス。

(食べられると思ったばい)

ふとそんなことを考えながら、ようやく舌を絡める濃いキスに少し安堵する。しばらくして名残惜しそうに離れた金太郎をとろんとした目で見ると、はにかみながら千歳をぎゅっと抱き締めた。

「千歳、ベッドいかん?」

冷静に考えれば男同士で…どちらかが突っ込んで、どちらが突っ込まれるという、後々に影響する大事な役割分担があるのだが、その時の千歳は何も考えることが出来ず、夢中で金太郎の手を引いた。きっと脳が痺れてバカになってるんだと思った。

















千歳、と短く名前を呼んで、金太郎が自分の中で震える。ほぼ同時に自分も果てた。うっとりとするような余韻に溺れる。

(ちんこ触られるならともかく、まさか初めてでいかされるとは思わんかったばい)

金太郎に抱かれるということも不思議な感じだったが、その金太郎の手慣れた様子の方がより複雑な気持ちだった。自身を始末した金太郎が千歳にゆっくりと被さり、大きく体で息をする。その息がこそばゆい。少し身動ぐと、首筋にピリッと痛みが走った。一瞬なんなのか分からず固まると金太郎がにこにことしている。

「キスマークや」

その出来に満足そうに金太郎は首筋のキスマークをペロペロと舐めた。また下半身が疼いてしまう。

「く、くすぐったいけん、やめなっせ」

千歳の言葉に金太郎は上体だけ少し起き上がらせ、ふと真面目な顔を見せた。

「俺、知らんかった」

「な、なんね?」

「千歳ってめっちゃエロいんやな!」

昔と変わらぬ純真無垢な笑顔で言われると、自分がひどく俗物のような気がしてしまう。実際は金太郎もかなりのものだったのだが。

「なっ!んぁっ」

抗議をしようとすると半勃ちのものを優しく握られ、油断してた千歳は甘い声をあげる。金太郎はちゅっと軽くキスを落とした。

「可愛いなぁ千歳は」

金太郎は千歳の足を持ち上げ、再びに最奥の秘部に触れる。ぞわりとした感覚に千歳の体が弓形にしなった。

「ちょ!もう駄目たい!入れるのは止めなっせ!」

千歳はさすがにこれ以上は、とばたばたと暴れる。しかししっかりとホールドされ、逃げられない。

「千歳、好きや。千歳は俺のこと好き?」

金太郎の言葉は魔法だと思う。千歳が絶対に逃げられない強い力を持っている。思わず流されそうになったとき、自分に当てられた熱に我に返り冷静になって慌てて首を振った。

「嫌いたっんんっ!」

その答えをどうとったのか、幸せそうに顔を緩めた金太郎が再び千歳の中に入ってくる。少しの痛みと甘い快楽。あとはそれに身を委ねるだけだった。











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