スクール・シンドローム | ナノ



このままの時間が永遠に続けば良いのに、と思った。
その目が自分を映していると考えただけで卒倒しそうになった。その口から自分の名前が出てくるたび、何故か感激という感情がほとばしった。初めてじゃない授業なのに、何でこんなに。初めて会ったわけではないのに。
そこで俺は気づいた。

(好き…かも)
(どうしよう、何だコレ)
(いやいやいや。生徒と先生だぞ。それ以前に男だぞ!何考えてるホースケ!お前モテたいんじゃなかったのか!)

ぐるぐるぐるぐる、自覚、葛藤、本能、理性が頭でミキサーにかけられたみたいに混ざりあってく感覚に何だか足がふわふわした。ああ…まずい。

バタン!

クラスメイト達のざわめきと先生が俺を呼ぶ声がだんだんと薄れていった。貧血?貧血かなあ。せめて知恵熱ではありませんように。霞む意識の中、俺はやっと自覚した。

先生、先生。俺、貴方のことが好きみたいです。











「お疲れー」
「成歩堂さん、書類忘れてるよ!」
「クッ…成歩堂。判子まだだ」
「成歩堂!貴様今日中にトノサマンDVDを返すと約束した筈だ、返せ!」