自然とついた言葉。
 別にたいした意味はなかった。

 蔵ノ介はえっ、と小さく声を漏らした後、みるみる内に頬を赤く染めてって。恥ずかしいんか足をモジモジしとったけど、さも当たり前のように口にした俺に逆らえんかったんやろう。下着ごとズボンを脱いだ。
 いわゆるお子様パンツと呼ばれる、電車のイラストがバックにプリントされたブリーフに似つかわしくない、白い液体――精液が股んところについとる。

 間違いあらへん。
 蔵ノ介は夢精したんや。
 夢精は生理現象やからなんもおかしいことはない。

「大丈夫や。間違いない。クーちゃんは大人に近づいとんねん」
「……そうなん? てことはおにいちゃんも、この白いおしっこ出んの?」
「お? ……おぉ、出るよ」

 自分だけやないってことが分かったんが、蔵ノ介を安心させたみたいで、そっかぁ……と一人呟くと、いつもの可愛らしい笑顔を見せた。

「……」

 パンツにやらしい染みを作り、毛が生えとらん下半身をあらわにしているにも関わらず、蔵ノ介が浮かべる表情はいつもと変わらへん。無邪気というかなんというか……。

 そのアンバランスな格好が、段々俺を変な気持ちにさせてきた。

 気付いたら俺は、

「なぁ、クーちゃん」
「なに?」
「この白いおしっこがどんな時に出るか……教えたろか?」

 そんなことを、口走っとった。
 親切なフリして、俺はとんでもないことを口にしとる。
 まるでこれは、公園で遊んどる可愛らしい女の子に『赤ちゃんの作り方教えたろか〜』と迫る変態おっさんとおんなじ状況やないか。
 でも俺は自分を止めることなんか出来ひんかった。

「寝てる時に出るんとちゃうの?」
「せやな。それもあんねんけど、もいっこ出し方があんねん」

 蔵ノ介はどんな? と口にし、首を傾げる。俺はニヤリとすんのを抑えられんかった。

「あの白いおしっこは精液っていうてな、気持ちえぇ時に出んねん」
「気持ちえぇ時?」

 あぁ……俺はめちゃくちゃ悪いにいちゃんや。蔵ノ介にすまんと心の中では謝っても、俺は自分自身の衝動を止められへん。

「せや。ココが気持ちようなった時に出んのが普通なんやで」

 蔵ノ介の白い太股の間に生えとる、可愛らしいちんこを指差す。

「えっ!? ホンマに?」

 蔵ノ介は驚いたように大きな声を上げる。

「おぅ。ホンマのホンマやで。足で電気あんまされたらこしょばいやろ? こしょばいってことはつまり気持ちえぇってことやねん」

 今度は驚きに目を見開いた。
 興味津々、といった感じやろか。キラキラと目を輝かせとる。

「クーちゃんは気持ちようなりたない?」
「……なれんの?」

 何も知らない、蔵ノ介の純粋な目にダメージを受けつつも、俺はもう引き下がられへん。

 とうとう、

「ここをモミモミしたんねん」

 俺は蔵ノ介のちんこに手を伸ばし、まだ皮の被ったそれをゆっくり揉み上げた。親指と人差し指で挟んで何度も何度も。

「どうや?」
「分からへんけど……ムズムズするかも……っ」

 言葉通り感じとるみたいで、蔵ノ介はモジモジ腰を動かし出す。せやから次は、先端を親指の腹で押す形で撫で回してやれば、

「あ……っ、ちんちん、なんか変……っ」

 蔵ノ介のそこは先走りという名の蜜を零し始めた。俺から出すモンと違て、それはめっちゃうまそうに俺の目に写った。

「クーちゃんのココ……やらしい汁垂れてきてんで」

 クチュクチュとわざと音を立て、蔵ノ介の羞恥を煽る。

「ぁん……っ、なんなんこれ……」
「これはなぁ、先走りいうて気持ちようなってきたら出てくんねん」
「先走り……」

 潤んだ瞳で、自らの股間をじっと見つめる蔵ノ介。先端から溢れ、俺の指に付着した先走りに戸惑っとるようやった。

 溢れる先走りの量がどんどん増してく。

「うぁ……っ」
「かわえぇなぁ、クーちゃん」

 蔵ノ介は俺からの刺激に堪えるかのように、ベッドのシーツを握る。卑猥な音が室内に響き、視覚と触覚だけやのうて聴覚からも責め立てた。

「ほらほらクーちゃん。触ってみぃ? ココ」

 弱々しいモンやったからすぐにシーツから離れ、蔵ノ介の右手をとって、俺は蜜を零す自身に導いてやった。
 触っとったから分かる。
 蔵ノ介のそこは熱を持ち、固くなり始めとった。

 触れた瞬間、蔵ノ介はあ……と声を漏らした。

「熱くなって、ちょっと固くなっとるやろ?」
「うん……あちゅい……」

 呂律……回ってへん。
 よう見たら、蔵ノ介の頬は赤く染まり、はぁはぁと繰り返される息は完璧に上がっとった。

「これはなぁ、勃起ていうて、こっちも気持ちようなってきたらなんねんでー」
「あぁっ、あ……っ、ぼっき……っ?」

 言いながら俺は、蔵ノ介の手の上に自分の手を重ね、自身をそっと握らせる。その手を動かしとんのは俺やけど、蔵ノ介自身に自分のを扱かせた。

「あっ、ちんちん、変っ! あちゅいっ」

 扱くスピードを上げれば、蔵ノ介は快感から逃れるように身じろぎし、首を振った。

「気持ちえぇやろ? クーちゃん」
「やぁ……っ、からだ、なんかおかしい……っ、ふわふわする……っ」

 始めて体験する感覚に、蔵ノ介は不安げな瞳を向ける。

 ほな……バッチリ教えたらなな。

「クーちゃん、そのふわふわ感が気持ちえぇってことやねん」
「ホンマ……?」
「ホンマホンマ。せやからクーちゃん……もっと、気持ちようなりたない?」

 蔵ノ介はぱちぱちと素早く瞬いた後、恥ずかしそうに唇を噛み、ゆっくりと頷いた。
 俺が好き勝手にやんのは流石にどうかと思うけど、蔵ノ介の同意が得られたんなら話は別や。ほぼ、誘導みたいな形やったとしても。

 ただ、モノを扱くだけやったらこれ以上の快感は得られへん。俺は蔵ノ介の手を解放して、自分の手で白石の柔らかな皮をゆっくり剥いた。

「いやぁ……っ」

 現れたのは予想通り、ピンク色をした亀頭。先走りでふやけたお陰で、すんなり剥けた。

「ひ、あぁん……っ」

 先走りを零す小さな穴が、魚がエサを食べるみたいにパクパクしとる。

「思た通り、綺麗なピンクやわ。ココ剥いて、ちゃんと掃除しとるん?」

 剥けたばっかりで敏感になっとるんやろう。皮を下ろしただけやのに、蔵ノ介はごっつい感じてた。いきなり触るんは流石に刺激が強すぎるから、ウォーミングアップ……言うたらおかしいけど、皮を上げたり下げたりして亀頭を刺激する。

「ひぁっ、あッ、あンっ」

 何度も、何度も。
 それだけの刺激を繰り返した。その内にどんどん熱を帯び、より固さを増してく蔵ノ介自身。

「あっ、いやッ、やっ、おしっこ出てまうっ! おにい、ちゃんっ、やめてぇやっ!」

 蔵ノ介は涙目になりながらそう懇願したけど、俺は聞く耳持たず。どうせ出るモンはおしっこやなくて精液やから、俺は構わず手を動かした。

「ええよ、出して」

 もう、限界やろう。
 蔵ノ介の小さなモンが震えとる。

 このまま触り続けたら蔵ノ介のモンは射精するやろう。そんな、蔵ノ介の痴態を想像した俺は、なんやこのまま手でイかせてまうのがもったいないような気ぃして、

「えっ、いやぁっ、いややっ、おにいちゃんっ!」

 蔵ノ介のモンを、咥えてみた。
 別に抵抗はなかった。まるで飴かなんかを食べるみたいに、すんなり顔は近付いてって、俺は蔵ノ介のモンを舐めた。
 俺の口で、イかしたいと思たからや。

 チューチューと、蔵ノ介のモンを吸い上げる。

「あっ、あっ、あっ」

 蔵ノ介のモンはビクビクと激しく震え、

「ひぁ……あぁぁァアぁっ!」

 白い粘液を放った。
 全身を引き攣らせ、小刻みに震える。

 分かってたことやけど、可愛らしい外見とは違てそこは男の味をしっかりさせてた。確かに青臭うて、苦うて、美味しいとは……言い難い。でも蔵ノ介が吐き出したモンやと思えば自然と呑み込めたし、おいしいとも感じた。

 搾りとるように蔵ノ介が出したモン全部呑み込んだら、股間から顔を離して、俺は少し零してしもた精液を手の甲で拭った。

「おにぃ……ちゃ……」

 見上げた先にあったのははぁはぁと息を切らし、今にも泣き出しそうな顔して俺の顔を見つめる蔵ノ介の姿。その顔がかわえぇって言うよりもかなり色っぽくて……俺はアカンって思ってしもた。

「おに……っ!」

 なんか言いたそうに動いた蔵ノ介の唇を、俺は考えるより先に自分の唇で塞いでて。

 完璧に――蔵ノ介に堕ちてしもた。

 触れるだけやったんが、蔵ノ介が呼吸しようと薄く口を開いた隙をついて、俺は舌を差し入れて。蔵ノ介の小さな咥内を、余すところなく舐め回し、歯列をなぞった時、生え揃ってない歯の感触が新鮮やった。

「んぅ……っ、んんー……っ」

 蔵ノ介が苦しそうに声を漏らしたのにハッとさせられて、俺はようやく唇を離した。

「はぁっ、あっ、おにい……ちゃ……」

 荒い息の中、蔵ノ介は不安に揺れる瞳で俺の名を呼ぶ。幼いながらに放つ、蔵ノ介の色香は強烈なモンやった。

 我慢しろっちゅー方が無理な話やろ。

「クーちゃん……ごめんっ」
「えっ、あっ」

 俺は本能のままに動き、蔵ノ介をベッドへ仰向けに押し倒して、自らもベッドの上に乗りその足を大きく開いた。

「いやぁ……っ、おにいちゃん……っ」

 開かれた足の先に見えたピンク色の穴。普通やったら汚いと思えるそこも、蔵ノ介のやからごっつい綺麗に見えた。

 男同士やったら……ココを使うて聞いた。
 こんなん間違っとるて思うけど、俺はどうにも自分を止められへん。

 流石にそのまま突っ込んだら痛いやろうから、せめてもの配慮で俺は人差し指を自らの唾液で垂らし、慣らしてから蔵ノ介の穴に突っ込んだ。ナカはごっつい熱うて、溶けてしまいそうやった。

「いっ、あっ、痛い……っ! そんなとこ、指入れんといて……っ」

 蔵ノ介は嫌がって逃げるように体をよじってんのに、俺はナカを掻き回す指を抜いたりはせえへん。





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