「クーちゃん、もうちょっとの辛抱やから……もうちょっとで気持ちようなれるから」

 そう蔵ノ介を宥めて、俺は指を動かす。
 前立腺っていう、男でも感じるトコがあるらしいから、そこを探して俺は指をあちこちに動かし続けた。

「あっ、やっ、おにいちゃんっ、抜いてぇっ!」

 蔵ノ介が本気で嫌がる姿に胸は痛むけど、自分のことを優先させてもた俺はホンマに止まらん。
 少しでも痛みが和らぐよう、空いてる方の手で前を扱いてやる。
 そしてようやく見つけた――

「ひやぁっ!」

 前立腺。
 蔵ノ介の反応が明らかにちゃう。今まで苦しそうに声を漏らしてたのに、気持ち良さそうに喘ぎ始めた。

「あっ、やっ、何コレっ、やッ、ぐりぐりせん、とっ、てぇっ」

 少し出っ張っとる部分が前立腺かと理解した俺は、指先に力を込めてそこをぐりぐりと弄る。前の刺激とも合わせて、蔵ノ介のモンはどんどん大きなってた。

「あっ、ひやァっ、アっ、ひぁっ!」

 蔵ノ介は引っ切りなしに声を上げ、涎を零す。蔵ノ介のナカが俺の指の大きさに慣れてきたとこで、指の数を増やしどんどん穴を拡げてく。

「ひやぁっ、あっ、おにぃっ、ちゃ……っ」

 そうしたとこで蔵ノ介の反応はあんま変わらんくて、気持ち良さそうに喘いどる。痛みよりも、快感の方がデカイみたいやった。

「あっ、アカンっ! おにいっ、ちゃッ、また出るぅっ!」

 蔵ノ介の膝がガクガクと震え、限界を訴え始める。前を擦る手もくちゅくちゅと音を立て、先走りは留まることを見せへん。

「クーちゃん、そういう時は『出る』やなくて『イく』て言うた方が気持ちようなれんねんで」

 別にそんなことはないけど、蔵ノ介の『イく』が聞いてみたなって適当なことを言うてみた。『イく』て言うてもろた方が雰囲気出るし。

「い、いっ、いくぅっ? あッ、ひやぁっ」

 俺の言うことを素直に聞いてんのか快感に貪欲なんか……それは分からんけど、疑問形で聞いてきたから俺は「せや」て頷き返した。

「あっ、アんっ、ひやァっ、イくぅ! おにぃっ、ちゃっ、イくぅっッ!」

 蔵ノ介の『イく』は俺の熱に、めっちゃ響く声やった。早く処理しとうて、ウズウズしとる。

 ナカに挿し入れる指が三本になった頃、
「あっ、ひヤぁぁーっッ!」

 甲高い声を上げて達した。

 ビクッと手の中の蔵ノ介のモンが引き攣って、びゅっと白濁が吐き出される。

 今度は蔵ノ介の腹の上と、俺の手の平に吐き出された白い精液。俺はそれをペロリと舐めた。

 もう――ええやろ。

 そう思た俺はナカに収まっとった三本の指を抜き、汚れてない方の手でズボンごとパンツを下ろす。馴らしたお陰で蔵ノ介のナカはかなり解れとる。少なくとも普通に、大便する時以上には拡がっとるやろう。

 裂けてなかったし、多分……大丈夫やろ。勝手にそう決め付けて、俺は行動に移した。滑りをよくする為、蔵ノ介が吐き出した精液を自身に塗り込み、ローション代わりにする。
 蔵ノ介は伏し目がちに荒い息を吐き、くねくね腰を揺らめかせとる。イった余韻に浸っとるトコ悪いけど、俺は正直もう、抑えがきかん。

 どこか別のところを見てた蔵ノ介やけど、俺が太股を掴んでまた左右に足を開いたら、半目やった目が見開かれた。

「え……っ、おにい、ちゃっ、のちんちん、俺のとちゃう……っ」

 そりゃそうやわな。
 蔵ノ介の股に生えとる小振りのモンに比べれば、俺のモンはさぞかしグロテスクやろう。赤黒うて、筋張っとるし。

 俺のモンを目の当たりにして、性に関して全く無知やった蔵ノ介でも、流石に察したみたいやわ。

「えっ、やっ、無理ぃ……っ、そんなん、絶対入ら、へん……ッ」

 俺から逃げようと蔵ノ介は腰を引くけど、そうはさせへん。俺の方に引き寄せて、猛った自身を、

「あっ、あアぁあァァっ!」

 一気に捩込んだ。

 指を突っ込んで拡張したとはいえ、キツイことはキツイ。半ば無理矢理腰を押し進めて、なんとか全部収めた。

「すごいな……クーちゃんのナカ、めっちゃ締め付けてくる……」
「あっ、おにいっ、ちゃ……っ」

 我ながらアホなこと言うてると思うけど、キツイからこそ蔵ノ介のナカは俺のに纏わり付いてきて。射精を促すかのように、絶妙な強さで締め付けてくる。

 気ぃ抜いたらイってまいそうや……。

「クーちゃん、気持ちようしたるからな……っ」

 蔵ノ介を安心させるように頬をそっと撫でてから、俺はガツガツと腰を動かし始めた。

「あっ、アッ、ひやァッ」

 俺は指で見つけた前立腺をアホみたいに狙って突くから、蔵ノ介の口は開けっ放し。俺も蔵ノ介のナカが気持ちえぇから夢中でナカを突いた。

「クーちゃん……っ!」

 空気を掻く、蔵ノ介の腕が心許なかったから、俺は身を屈めて蔵ノ介に腕を回すよう促す。そしたら蔵ノ介は俺の意図が分かったんか、縋り付くように俺のシャツをがっしり掴んできて。

「あっ、お、にぃっ、ちゃ……っ、ひやぁっ、あっ」

 俺のことを必死に呼んでた。

 そんな……蔵ノ介が愛しくてたまらん。

「なぁっ、クーちゃん……っ、俺のこと名前でっ、呼んでぇやっ」

 やからこそ、こんな小さな願望が出てきた。
 蔵ノ介に名前で呼んで欲しい。『おにいちゃん』やなくて、その濡れた唇から、俺の名を呼んで欲しいと思た。

「えっ? ……あっ、ひやぁっ、あっ!」

 疑問に満ちた声を上げても、奥を突けばそれはすぐ喘ぎ声に変わる。

「俺のことおにいちゃんやなくてっ、『謙也』て名前で呼んでっ」
「あ……っ、ひやぁっ、けんっ、けんやぁっ、あッ、やァっ!」

 快感で正確に脳が回っとらんのやろう。真面目な蔵ノ介のことやから、躊躇ってきかんやろうけど、俺の言うたことを素直に聞いてくれた。

「けんやぁっ! あっ、け、んやぁっ!」

 例え、言わしてしもたことであっても、俺を求めるかのように名前を呼んでくれれば、テンションも上がる。

「クーちゃんっ、かわえぇっ! めっちゃ、かわえぇっ!」
「あっ、けんっ! やぁっ、ひぁっ」

 ――あぁ……なんでこんなことになってしもたんやろか。
 少しだけ残ってる理性が、俺にそれを考えさせた。

 確か……蔵ノ介に白いおしっこが出た言われて部屋に相談にこられて、それは病気やないから大丈夫や言うて、出し方を説明する為に実行にうつして、それから……。

 こんなつもりやなかった。

 でも、

「ああああっ、いやァっ、また、あっ、イくぅっ!」
「ええよ……っ、もっと出して……っ!」
 もう止まらへん。

 俺が一際強く最奥を突けば、

「あっ、ひやァっ、あぁアぁぁっ!」

 蔵ノ介の体は硬直し、びゅっと精液を吐き出して。ナカが纏わり付くだけやなくて搾りとるように蠢くから、外に出そう思てたのに、しもた時にはもう遅うて、

「く……っ」

 俺は我慢出来ずにナカに出してしもた。

 蔵ノ介のナカに、俺の精子が注がれる。
「あ……っ、あァ……っ」

 背中を掴んでた蔵ノ介の手がふっと離れ、俺は慌ててその小さな体を支えた。
 立て続けに三回もイったんや。当然というたら当然やろう。
 蔵ノ介は瞼を閉じ、気を失っとった。

 そんな蔵ノ介をそっとベッドに寝かせ、俺は腰を引いて、ナカに挿れてた自身を抜けば、ドロリとした白濁が流れ出た。

 その光景に罪悪感を感じつつも、不思議と……後悔はなかった。

 俺は蔵ノ介にそっと口づけを交わし、聞こえていないことを承知でこう口にした。

「好きや……蔵ノ介……」






 ――その日から、俺と蔵ノ介が関係が兄弟やなくなったんは言うまでもない。


end.
あれ……コメディ風にするはずが、なんかおかしな方向に……な、理由は後日談が二パターンあるからです!
一つはシリアスで、一つはコメディ。前々からやりたかった、兄弟ものだったので構想がすごいことに……続きがありますので、そちらの方をこれから更新させていただきます。なかなか更新できなくて、ホントすいませんでした。
素敵なリクエストを下さったnuts様、ありがとうございます。せっかくのリクエストを活かしきれなかった気もしますが、全力でさせていただいた所存です。何かありましたら、メールか拍手で……^^。

後、どうでもいい話なんですが、コレを書く際、男の子がいつ精通するのかについてガチで調べました……。かなり曖昧ですね。クーちゃんはちょっと早い気もするんですが、許してやって下さい……^^
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