2
「ひぁっ、アぁっ、けんっ、あァアっ!」
嬉しいて謙也に伝えたいのに、口にする言葉全部喘ぎに変わってまう。
せめて意識飛ばされんようにと、俺は拳を固め、それを強く握りしめた。
「あぁんっ、ヤぁっ、……はァぁあァんっ!!」
完璧に勃起しとった俺のモンは、激しい揺さぶりに耐えられんで先端から勢いよく白濁を飛ばした。
謙也もほぼ同時に達したらしく、俺のナカに熱いものが注ぎ込まれる。
ドクドクと俺のナカで脈打つ謙也のモノ。それに合わせるように、内璧がうごめいていた。
いつもやったら謙也は、ここでモノを抜き、気持ちよかったなとか言うてキスしてくるんやけど、
「足りひん……白石が……白石が足りひんねん……っ!」
やっぱり今日はちゃうかった。
俺の背中に謙也は体をくっつけ、隙間ないぐらい密着してきたら、俺の手がある辺りに手ぇついて。
「白石……っ、白石しらいしっ!」
噛み付くようなキスをし、謙也は俺の咥内を貪りながら、腰の動きを再開させた。
そん時見えた、視界いっぱいに広がる謙也の表情。
必死に俺を求めて、欲情しきったその表情に……背筋がゾクリとするのを感じた。
「しらいしっ、……しらいしっ!」
口が離され、ひたすら名前を呼ばれ謙也に求められる。
――優しい謙也も好き。
せやけどこんな風に、乱暴に扱われんのもようて……強引に求められんのが純粋に嬉しかった。
「け、んやぁあっ、けんやぁっッ!」
喘ぎ混じりに俺も謙也の名前を呼んで、謙也の腰の動きに合わせて、腰を振った。
「……ん」
目ぇ開けたら、そこにあったんは見慣れた金髪で。俺は謙也におんぶされとることに気付いた。
「あ……気ぃ付いた?」
俺が漏らした声に反応したんか、謙也は目を動かしてこちらを向く。
どうやら俺は、意識飛ばしてしもたみたいや。腰がごっつい痛うて重い……。
どないなったんやろと身の回り見てみたら、かなり持ちにくそうやけど、俺の鞄は謙也が自分のんと一緒に持ってくれてて。グチャグチャやった体は綺麗にされ、脱がされた制服はきっちり着せられとった。
学校出て、半分ぐらいやろか……。謙也におぶられ、駅へと続く道を歩いとる。
辺りはもうすっかり暗くなっており、結構な時間ヤってたことを思い知らされた。記憶にある限り、最低五回はヤっとる。どうりでこうなるワケや。
「白石……ごめんな」
静かな夜道に、その声はやたら響いて。
目尻を下げ、情けない顔で謙也はポツリと漏らした。
「俺……なんかめっちゃ体熱うて。トイレ行って抜いたりしたんやけど、全然収まらんくて、白石の肌見とったら我慢出来んで……めちゃくちゃに抱いてしもた」
――あぁ、それでトイレ行ったんか……。腹痛やなかったんやな。
俺がそう思とったら、謙也はまたごめんなて口にして。心底申し訳なそうにしとる謙也に、俺はええよて言うて首振った。声出したら鳴き過ぎて喉痛めたんか、少し枯れとった。
「まぁ確かに、体はあちこち痛いけど」
ホンマに責任感じてるみたいで、謙也の頭がうなだれる。
そんな謙也が可愛いて……俺を抱いとった時の野獣みたいな顔と違い過ぎて、俺は思わず笑みを漏らす。
「でもな、」
せやけど……痛いのなんか、別にどうでもええんや。
「謙也に求められて……俺、嬉しかったんやで?」
にっこり笑て言うたら、謙也は複雑そうに顔歪めて。俺はさらなる言葉を掛け、謙也の罪悪感を取り除いてやる。
「優しいされんのもそりゃ好きやけど、乱暴扱われんも……俺、好きやねん」
「……」
「余裕ないくらい謙也に求められてる気ぃして、ごっつい嬉しい」
謙也の頭にほお擦りしながら、わざと甘えた声出して言うたら、謙也の耳は真っ赤に染まって。
「し……白石て、マゾやったんか?」
照れ隠しで言うたんやと思うけど、謙也は俺から目ぇ逸らして前向いて、そんなこと聞いてきた。
肯定すんのはアレやけど、謙也がおもろいからここはうんて言うたろ。
「せやでー。ただし謙也限定やけどなー」
ふざけて言うただけやのに、謙也の耳はますます赤なって。月光りと、電灯の明かりだけの中でも、それはよう分かった。
俺はクスリと笑みを漏らし、
「せやから乱暴にしてくれても構へんし、今日みたいにいきなり襲ってくれてもええ。今まで俺ばっかり吹っ掛けとったから……いきなりされて、嬉しかった」
そう謙也の耳元で囁けば、
「……ホンマに?」
謙也はうかがうような目向けてきて。
うんて頷いたら、そっかて呟き謙也は口元を綻ばせた。
突然でびっくりしたけど、それ以上に嬉しかった。
ふんふん頷く謙也の反応見る限り、もしかしたら今日みたいに盛って襲ってくれるかもしれへん。
そんな期待が、自然と沸いてきた。
――それにしても、
「気になんねんけど……」
「ん?」
「なんで謙也、あないに盛っとたん?」
三日に一回の確率でヤっとったから、別に溜まってたワケやないやろうし……なんで急に?
「さぁ……全く分からへん」
謙也は首傾げるだけで、原因になりえる心当たりがなさそうや。
気になるとこやけど……
「……まぁ、えっか」
謙也に襲われて満足やから、俺はこの際どうでもよかった。ちょっと気になって聞いてみただけやから、別に答えられんでもええ。
俺は謙也におぶられて帰る――甘い夜道を堪能した。
end.
お気づきの方……というか、これは『媚薬』を用いたエロなので、謙也は媚薬を使われてます――光に。光が謙也にあげたスポーツドリンクの中に媚薬が入ってたんですよ……ていうお話でした!
こ、これは媚薬エロに入るのでしょうか……?
葵様、せっかくの素敵シチュでしたのに、活かしきれずすいません!
ちょっと違うなとかありましたら、遠慮なくメールにてお願いします!
追記
やっぱなんか中途半端だと思ったので、おまけとして書き足しました。
以下リンクからどうぞ!
おまけ