「ひぁっ、アぁっ、けんっ、あァアっ!」

 嬉しいて謙也に伝えたいのに、口にする言葉全部喘ぎに変わってまう。
 せめて意識飛ばされんようにと、俺は拳を固め、それを強く握りしめた。

「あぁんっ、ヤぁっ、……はァぁあァんっ!!」

 完璧に勃起しとった俺のモンは、激しい揺さぶりに耐えられんで先端から勢いよく白濁を飛ばした。
 謙也もほぼ同時に達したらしく、俺のナカに熱いものが注ぎ込まれる。
 ドクドクと俺のナカで脈打つ謙也のモノ。それに合わせるように、内璧がうごめいていた。

 いつもやったら謙也は、ここでモノを抜き、気持ちよかったなとか言うてキスしてくるんやけど、

「足りひん……白石が……白石が足りひんねん……っ!」

 やっぱり今日はちゃうかった。

 俺の背中に謙也は体をくっつけ、隙間ないぐらい密着してきたら、俺の手がある辺りに手ぇついて。

「白石……っ、白石しらいしっ!」

 噛み付くようなキスをし、謙也は俺の咥内を貪りながら、腰の動きを再開させた。

 そん時見えた、視界いっぱいに広がる謙也の表情。

 必死に俺を求めて、欲情しきったその表情に……背筋がゾクリとするのを感じた。

「しらいしっ、……しらいしっ!」

 口が離され、ひたすら名前を呼ばれ謙也に求められる。

 ――優しい謙也も好き。

 せやけどこんな風に、乱暴に扱われんのもようて……強引に求められんのが純粋に嬉しかった。

「け、んやぁあっ、けんやぁっッ!」

 喘ぎ混じりに俺も謙也の名前を呼んで、謙也の腰の動きに合わせて、腰を振った。









「……ん」

 目ぇ開けたら、そこにあったんは見慣れた金髪で。俺は謙也におんぶされとることに気付いた。

「あ……気ぃ付いた?」

 俺が漏らした声に反応したんか、謙也は目を動かしてこちらを向く。

 どうやら俺は、意識飛ばしてしもたみたいや。腰がごっつい痛うて重い……。

 どないなったんやろと身の回り見てみたら、かなり持ちにくそうやけど、俺の鞄は謙也が自分のんと一緒に持ってくれてて。グチャグチャやった体は綺麗にされ、脱がされた制服はきっちり着せられとった。

 学校出て、半分ぐらいやろか……。謙也におぶられ、駅へと続く道を歩いとる。
 辺りはもうすっかり暗くなっており、結構な時間ヤってたことを思い知らされた。記憶にある限り、最低五回はヤっとる。どうりでこうなるワケや。

「白石……ごめんな」

 静かな夜道に、その声はやたら響いて。
 目尻を下げ、情けない顔で謙也はポツリと漏らした。

「俺……なんかめっちゃ体熱うて。トイレ行って抜いたりしたんやけど、全然収まらんくて、白石の肌見とったら我慢出来んで……めちゃくちゃに抱いてしもた」

 ――あぁ、それでトイレ行ったんか……。腹痛やなかったんやな。

 俺がそう思とったら、謙也はまたごめんなて口にして。心底申し訳なそうにしとる謙也に、俺はええよて言うて首振った。声出したら鳴き過ぎて喉痛めたんか、少し枯れとった。

「まぁ確かに、体はあちこち痛いけど」

 ホンマに責任感じてるみたいで、謙也の頭がうなだれる。
 そんな謙也が可愛いて……俺を抱いとった時の野獣みたいな顔と違い過ぎて、俺は思わず笑みを漏らす。

「でもな、」

 せやけど……痛いのなんか、別にどうでもええんや。

「謙也に求められて……俺、嬉しかったんやで?」

 にっこり笑て言うたら、謙也は複雑そうに顔歪めて。俺はさらなる言葉を掛け、謙也の罪悪感を取り除いてやる。

「優しいされんのもそりゃ好きやけど、乱暴扱われんも……俺、好きやねん」
「……」
「余裕ないくらい謙也に求められてる気ぃして、ごっつい嬉しい」

 謙也の頭にほお擦りしながら、わざと甘えた声出して言うたら、謙也の耳は真っ赤に染まって。

「し……白石て、マゾやったんか?」

 照れ隠しで言うたんやと思うけど、謙也は俺から目ぇ逸らして前向いて、そんなこと聞いてきた。
 肯定すんのはアレやけど、謙也がおもろいからここはうんて言うたろ。

「せやでー。ただし謙也限定やけどなー」

 ふざけて言うただけやのに、謙也の耳はますます赤なって。月光りと、電灯の明かりだけの中でも、それはよう分かった。
 俺はクスリと笑みを漏らし、

「せやから乱暴にしてくれても構へんし、今日みたいにいきなり襲ってくれてもええ。今まで俺ばっかり吹っ掛けとったから……いきなりされて、嬉しかった」

 そう謙也の耳元で囁けば、

「……ホンマに?」

 謙也はうかがうような目向けてきて。
 うんて頷いたら、そっかて呟き謙也は口元を綻ばせた。

 突然でびっくりしたけど、それ以上に嬉しかった。
 ふんふん頷く謙也の反応見る限り、もしかしたら今日みたいに盛って襲ってくれるかもしれへん。
 そんな期待が、自然と沸いてきた。

 ――それにしても、

「気になんねんけど……」
「ん?」
「なんで謙也、あないに盛っとたん?」

 三日に一回の確率でヤっとったから、別に溜まってたワケやないやろうし……なんで急に?

「さぁ……全く分からへん」

 謙也は首傾げるだけで、原因になりえる心当たりがなさそうや。
 気になるとこやけど……

「……まぁ、えっか」

 謙也に襲われて満足やから、俺はこの際どうでもよかった。ちょっと気になって聞いてみただけやから、別に答えられんでもええ。

 俺は謙也におぶられて帰る――甘い夜道を堪能した。






end.


お気づきの方……というか、これは『媚薬』を用いたエロなので、謙也は媚薬を使われてます――光に。光が謙也にあげたスポーツドリンクの中に媚薬が入ってたんですよ……ていうお話でした!
こ、これは媚薬エロに入るのでしょうか……?
葵様、せっかくの素敵シチュでしたのに、活かしきれずすいません!
ちょっと違うなとかありましたら、遠慮なくメールにてお願いします!

追記
やっぱなんか中途半端だと思ったので、おまけとして書き足しました。
以下リンクからどうぞ!

おまけ



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