※結構ふざけてる
※吹雪が雷門中にいる
※無駄に長い






「よし、これで完成っと!」

明日はバレンタインデー!っていう訳で、只今カップケーキ作ってました!誰に?そりゃーアレだよ、うん、ね。わかるでしょ。ホラホラ。






と も だ ち に だ よ


彼氏なんかいません。自分で言ってて悲しいくらいにいません。だから友チョコつくればいいんだ。あとはサッカー部員全員の分も一応。これでもマネージャーやってるしね。そんなわけでカップケーキ大量生産してました。バレンタインデーは友達からいっぱいチョコ貰えるからそれだけで幸せだし。彼氏なんかいらないとまで思える。…まぁチョコ食べすぎて体重増えるのがネックなんだけどね。



そんなこといいつつも、隣には一際でかいチョコケーキがあります。…なんだかんだで私にも好きな人がいるからね。名前は吹雪士郎くんっていうムカつくぐらいモテる人。そんな彼もサッカー部員なんだけど。恋愛なんかしたことなかった私だけど、気づいたら好きになってました。恋は唐突にって言うじゃん。あれ、使い方違う?まあいいや。


吹雪くんにケーキあげるときどうやって渡そうか。どさくさに紛れて渡すことになるかもしれない。だって恥ずかしいじゃん。誰よりも大きなケーキをあげるけど、告白するつもりであげるわけじゃない。ただ渡せるだけで満足。思いはまだ直接伝えなくてもいいや。恋愛初心者の私はケーキに気持ちを込めるだけで精一杯。


吹雪くんにあげるケーキもだけど、友達やサッカー部員にあげるケーキもきれいにラッピングして、準備完了!後は渡すだけだ。




-----次の日


「はい、チョコあげるー」
「ありがと!じゃあお返しにケーキあげるー」


まあこんなかんじで友達とチョコを交換し合う。みんな凄く美味しそうなお菓子ばっかり作ってくるから幸せいっぱいお腹いっぱい…なんてね。放課後部活に行くために、ジャージに着替えて廊下を走っていると、サッカー部のみんなが一緒に部活に行くのが見えた。…それにしてもみんなモテるな…。豪炎寺くんとか鬼道くんとかは特に袋一杯にチョコを貰っている。半田は貰うチョコの数もなんか中途半端だな。四個って…。まあ普通に考えたらそれなりにモテてるけどね。吹雪くんの姿が見当たらないのでまわりを見渡すと、ガサガサと大きな音をたててサッカー部のみんなの所へ走ってくる吹雪くんが見えた。

「おーい、みんなー!」

超にこやかに吹雪くんが走ってきました。なんなのあの人…袋2つ分一杯にチョコを貰っているだと…!?モテキング恐ろしすぎる。走ってくる途中にもなんかチョコ貰ってたけど貰い方が慣れてやがる…なにあれなにあれ、ドライブスルーの如くチョコもらってるよ…。ほんとに、流石モテキング。この調子ならどさくさに紛れて渡す作戦も成功するだろ。なんてことを思いながら私は駆け足で部室に向かった。



*



部活が終わってみんなが帰るときに、部員全員に昨日つくったケーキをあげた。他のマネージャーの秋ちゃんたちも同じことを考えていたらしく、サッカー部のみんなにチョコを渡し終えて、みんなが喜ぶ姿を見てにこにこしていた。


みんなが嬉しそうにしているのを見て忘れていたけど本題はここからである。一応吹雪くんにもみんなと同じケーキをあげたけど、本命ケーキは結局どさくさに紛れて渡すことができなかった。私がケーキを持ってくるときに使った袋に1つだけポツンと残った普通よりちょっと大きめのケーキ。こんなの後から渡したら好きと言ったも同然である。あーあ、せっかくつくったのに渡せそうにないな。これだからヘタレチキンは困る。バレンタインデーに好きな男の子にチョコ渡せる女の子ってすごいんだな。なんて思う。


みんながゾロゾロと帰っていくなかで、栗松がみんなから一歩遅れたところで靴紐を結んでいたからなんとなく本当は吹雪くんにあげるはずのケーキを渡した。栗松は立ち上がってものすごい勢いで喜び始めた。

「う、う、嬉しいでヤンスー!今年も母ちゃんだけからしかチョコ貰えないと思ってたから、尚更嬉しいでヤンス!」

「それはよかった」

「ももももしかして先輩、俺のこと好…「勘違いするな!」

「で、すよねー。調子乗ったでヤンス…。とりあえずありがとうでヤンス!」

「ふふ、じゃあねー」

栗松に手を振りながらちょっとだけ虚しい気持ちにもなった。さようならお疲れ様でした私のバレンタインデー。まあ栗松も喜んでくれたからいいか。なんて思っている最中、栗松の目の前に吹雪くんが立ちはだかった。にこにこしてるけどなんか若干怖いような。チョコの食べすぎでお腹壊したんですねわかります。

「あっ、吹雪さん!お疲れでヤンスー!吹雪さんはやっぱりモテるでヤンスね。でも俺もいまチョコ貰っ…「それなんだけどね、」

「え、どれ…」

「栗松君が今手に持ってるそのケーキ、実は僕のなんだよね。」

「え、えええでも先輩がいま俺に直接くれt「そのケーキ僕のなんだよね。」

「で、でm「僕のなんだよね。」

「こ、…怖いでヤンス!」

なんということだろうか。チョコのカツアゲなんてはじめてみたぞ、おい。栗松は吹雪くんに私があげたケーキを渡して走り去っていった。結果的に私の本命ケーキが吹雪くんに渡ったからいいような気もするけどなんか複雑な気分だ。とりあえずなんか栗松ごめん。

吹雪くんがカツアゲした私の作ったケーキを持ちながらこちらに向かってくる。え、え、なにこのシチュエーション。ええええええ

「ねえ、」

「な、なに?」

「これさぁ、僕の為に作ってくれんだよね?」

「まぁ、一応、その…」

「ふーん、やっぱりね。」

なんだか嵌められた感が否めないのは私だけだろうか。吹雪くんはニタニタしながらケーキを見つめている。なんか吹雪くんが相当嫌なやつに思えてきた。吹雪くんは中のケーキを取り出して、一口食べた。そして満面の笑みを浮かべながらおいしいと言ってくれたので先程の嫌悪感は多少緩和された。

「なんかねー、僕の事好き!大好き!って味がする。」

「は、意味わかんな…いし!」

「僕は好きなんだけどな、きみのこと。」

もちろん、恋愛的な意味でね。なんて言葉を付け加えつつ、また一口食べた。それから多分赤面しているであろう私の顔を見て、またニタニタしている。なにこのナルシスト!でもかっこいいのが悔しい。もうやだ、恥ずかしすぎる、帰る!帰ってやる!そう思って踵を返すと吹雪くんがすかさず私の腕を掴んだ。

「ふふ、照れてる照れてる。」

「うるさい!離して!私は帰るの!」

「えー、残念だなぁ。じゃあその前に…」

吹雪くんが掴んでいた腕を引き寄せて、私の後頭部をがっちり押さえ込む。鼻の先同士がくっつくぐらいの距離まで顔を近づけると、「ちょっと早いけど、とりあえずバレンタインのお返しだよ。」なんてこと言いながらいきなりキスしてきた。私は思考回路が停止したかのようになってでも心臓の鼓動は速まるばかりでどうにかなってしまいそうだった。吹雪くんがそっと唇を離してにこりと私に微笑む。私が口をパクパクしていると、私の頭を少しだけ撫でて、何事もなかったかのように走り去っていった。


これって期待しちゃってもいいんですかね?






私のバレンタインデー
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バレンタインデー記念
その1


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