いみてーしょんぱひゅーむ 「げほ…っ…分かんね」 幾分落ち着いたのか再び口を開いた銀時に、己の企みを責められるかもしれない、と不安で撫でていた手を止めてしまった。 「好きな女口説く前に、散々口説き文句を撒き散らしちまって、何言ったら本気が伝わんのか分かんね…。本物の惚れ薬は心にもない台詞をスラスラと言わせちまう悪魔の代物だったってぇのによぉ…。この偽物は本心を引き出してもくれねぇや…」 「…えっと。銀さん、今ごろ薬効いちゃったの?」 その言葉に銀時は信じられないとばかりに目を丸くし、すぐさま眉を顰め怒りすら籠った視線を真っ直ぐ浴びせながら千紗の両頬を強く摘まんで伸ばした。 「いひゃいいひゃいっ!(痛い痛いっ!)」 「だーかーらぁー、効いてねぇって言ってんだろーが!まだ分かんないの?ンなモン使わなくても、とっくに銀サンは千紗が好きでしたァ!残念でしたァ!」 「へっ…!?」 半ば投げやりに、それでも真剣に告げられた真実に驚き通しの千紗は少しずつ言葉を咀嚼していく。 つまり、両想いだった、ということ。 「ほぉら、今度はオメーの番だぞ。何で俺に惚れ薬焚いちゃった?」 促すように頬を解放され、ひりひり痛むのを片手で押さえる。理由などお察しの通り、なのだがそれでは問屋は卸さない。 罪悪感にずっと苛まれるよりは、ここで全部吐き出してしまった方がいい。 元々、想いを告白するつもりだったのだから。 |