いみてーしょんぱひゅーむ …そうか、普段はモテないパのついたチンコ弄ってるだけのマダオとか言われてるけど、黙ってればイケメンだし本気になれば…女の子なんて簡単に落とせるんだな、銀さん。 そう思えば、ふわふわとした高揚感が一気に地に落ちていく。 こんな顔で、他の女性とも? 「…千紗」 「っ…」 名前を呼ばれて肩が震えた。偽物の愛だっていいと使った手段なのに、熱っぽい瞳が薬の効能のうちだと思うと苦しくて堪らない。 息すら止まってしまいそうな気持ちも知らずに、銀時は千紗の手首を掴んで自分の方へと引き寄せた。それにより近付いた距離に驚き千紗は反射的に顔を逸らす。 「なぁ…オイ」 「だ…だめ、待って銀さんっ…」 「かーわい」 合わさりそうだった唇が耳元近くで囁き、微かに濡れた音を立てて手の甲に口付けた。 これを望んでいたはずなのに。 そのまま勢いで告白して、それから起こる事が後で過ちだって思われたっていい。薬が効いてる間だけは私だけを…なんて。 触れられた身体は確かに熱を宿すのに、虚しさに気付いた心は正反対に冷たく、その温度差に耐えられなくなったというように涙が滲み視界を霞ませた。 白状しようにも惚れ薬が効いてしまっている今では冷静に返して貰えないかもしれない。 どうしていいか分からず震える唇を一文字に結んだ……その時だった。 「だぁーっ!ヤメだヤメヤメ!」 「!」 「何でお前がそれ持ってんのか、偽物なんだか知らねぇけどよ…。せっっっかく人が効いてる振りして素面で精一杯口説いてんのに、何で千紗チャンは泣きそうなんですかぁ?俺の事嫌いですかコノヤロー!」 「はっ…!?いや、え…えぇぇ!?」 堰切った様に喋り始めた銀時はすっかり常のテンションで、先ほどまでの何処か妖しい艶を孕んだ雰囲気なんて見る影もない。 千紗がそれについて行けずに目を見開けば溜まった涙が頬を伝った。 「銀さん、じゃ…なんで…」 「あ゛ー、それはだな…ったく、本当に効かねぇなこの香は!」 顔を香の方に向けたかと思うとすうううっと周りに立ち込める煙を一気に吸い込み、そんなに吸ったら危ない…と言う前に案の定ゲホッゲホッとむせだした。 「だ、大丈夫?」 本当に苦しそうで心配になり拘束力の弱まった手を解いて背中を擦ってやる。 |