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中に入ると試合は終わったというのにまだ暑苦しかった。
誰に言えばいいのか分からなかったが、責任者だろうと思い主将の元へ向かう。
「おぉ、沢田ツナの兄弟ではないか!どうだ?お前もボクシング部に入らないか!?」
「体弱いんで無理です。
いや違くて、割れたガラス風紀委員が取り替えに来るんですけど、いい」
「何!直してくれるのか!お前極限に良い奴だな!!」
「いやいや、俺じゃなくて風紀委員がなんですが、」
「うおおお!!流石は沢田の兄弟!気に入ったぞ!!」
「あの、」
「沢田には断られたが、沢田銀!お前にも是非ともボクシング部に入って欲しくなったぞ!どうだ、兄弟揃って共に青春の汗を流さんか!」
「おーい誰か通訳呼んで来てくれー」
どうしよう、話を聞いてくれない。
困惑してギャラリーを見ると、京子が前に出てきてくれた。
「お兄ちゃん!駄目だよ、銀時君は体が弱いんだから無理させちゃ」
「ならばボクシングで鍛えればいい!」
「も〜……。ごめんね、銀時君。お兄ちゃんったらまた興奮しちゃって。でも、たまにでいいからお兄ちゃんの話相手をしてくれると嬉しいな」
申し訳なさそうに言う京子にNOと言える訳も無く、「勿論!」と爽やかに返す。なんとなく無茶ぶりも頑張れる気がする。何故だろうか――ああ、可愛いからか。
と、後ろでざわつく気配が聞こえて振り向く。
そこには先程のリーゼント君と業者っぽい人数名が、割れた窓の周りを囲っていた。
業者が来るの早すぎないか。
風紀委員だからか、あちこちからざわつきが起こっている。
さっき言ったし、もう話さなくても良いだろうと思いツナ達とボクシング部を後にした。
結局リボーンはどこにいたんだろう。
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