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「何でランボまでいるんだよ!」
「いいじゃない。大勢の方が賑やかで」
ランボがいるのはツナのせいだと思うぞ。なつかれてたし。
母さんはすっかりランボに肩入れし可愛がっていた。やはり外見は大事だと思う。
その母さんが回覧板を隣に持って行ってしまい、現在は俺とツナとリボーン、そしてランボが食卓に残っていた。
ツナはリボーンへ耳打ちしてるし、ランボは緊張の面持ちで唾を飲んでいる。
とても団欒を楽しむ食卓とは思えない。
更にはランボがリボーンを的にナイフ投げを披露する始末。リボーンは見もしないで弾き飛ばしていたが。誰かこいつらに正しい子供の在り方を教えてやってくれ。
弾かれたナイフが額に刺さり大声で泣き始めたかと思うと、ランボはまたもやゴソゴソと何やら漁り始めた。
「なっ」
ツナが驚いたそれは、何だっけ、10年バズーカ?ランボは砲口を自身へ向け、え、まじか。自分に撃った。
キッチンが煙に包まれ、やがて晴れていく。
俺は咄嗟に死体を探したが、そこには一人の男が立っているのみで。
……あれ。
「やれやれ。どうやら10年バズーカで十年前に呼び出されちまったみてーだな」
ランボの代わりにそこにいたのは、何やらかったるそうな天然パーマの男だった(自分を棚に上げてる?知るか)。
雰囲気的に歳は俺より上だろうか。
「お久しぶりです若きボンゴレ十代目。十年前の自分がお世話になってます、泣き虫だったランボです」
「な、なんだってー!?」
驚き叫ぶツナに自称十年後のランボは淡々と説明する。
「あぁ、10年バズーカで撃たれた者は10年後の自分と五分間、入れ替わる事が出来るんです」
「……へぇ」
入れ替わってみたいかも。
そう洩らすと、俺の存在に気付いたらしい十年後のランボは俺に手を差し伸べた。
日本ではあまり握手はしないのだが、ランボの所作がごく自然だったせいか反射的に取ってしまう。握手したものの次にどうすればいいのか戸惑っているとランボがじっと俺の顔を見つめ始めた為、更にどうすべきか分からなくなった俺は顔を引き吊らせた。
「お久しぶりです、銀時さん」
「うん、久しぶり……?」
「本当……、もう貴方には会えないのではと思っていました」
握られた手が離れるとランボは微笑んだ。
「?」
「今は言えませんがね。
……貴方を止めるのは骨が折れる。若き十代目、宜しくお願いしますね」
「え、俺?」
ツナが訝しむが、ランボはリボーンの元へ向かった為その真意を訊く事は出来なかった。
「よおリボーン、見違えちゃっただろ。俺がお前にシカトされ続けたランボだよ」
リボーンは黙々と食事を続けている。
ランボは微笑みを崩さないまま溜め息を吐いた。
「やれやれ――こうなりゃ実力行使しかねーな。十年間で俺がどれだけ変わったか見せてやる」
言いながら頭に角を取り付ける。
「本当だ、ランボだ」
やっと納得できたよ。
牛の角を好んで装着する人間が一度に二人も現れることもないだろうという見解である。一人はガキだが。
「サンダーセット」
ランボの呟きと同時にどこからか雷が落ちてランボの角に直撃した。
電気を帯びた角はバチバチと火花を散らしている。何でランボは感電しないんだ。
百万ボルトとかいうポケモンじみた発言をしてツナを存分に驚かせてから、ランボはリボーンへ。
「電撃角(エレットゥリココルナータ)!!」
技名、を叫びながら突進するも頭にフォークをぶっ刺され沈黙。
どうやら、えれとりこ何とかとは角に触れない限り脅威になり得ないようだ。リーチが短すぎるだろう。
ランボはブルブル震えながらがまん、と自身に言い聞かせていたが、結局泣き出しキッチンを駆け出していった。
「か…変わってねーじゃん!!」
「うん、キャラ改変とか面倒だしな。ヘタレ万歳」
「裏事情は話すな!!」
母さんがランボを連れて戻って来た時には既に子供に戻っていて、元気にリボーンへ攻撃を仕掛けていた。
全て返り討ちに合っていたが。
それにしても母さんはランボを居候させるつもりなのか、そうなのか。反対する訳ではないが、このままいくといつか家が居候でいっぱいになるのではないかと心配になった。
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