日常編 | ナノ
2

正確には牛柄の服を着て牛の角を付けたアフロの子供、だが。

そいつがリボーン目掛け銃を構えている。

しかしリボーンの奴、相手にしようともせず勉強を再開させていた。
ツナは状況についていけずわたわたと慌てふためくばかりだ。

それにしても、最近の子供は一体どんな教育を受けてんだよ。やんちゃさせすぎじゃねぇの?

牛(でいいや面倒くさい)は引き金を何度も引いているが、ああ、もしやこれは正真正銘子供のごっこ遊びではないのか?その銃口から鋼鉄の玉は一切出てはこない。
牛の怪訝そうな様子から何かが出る予定ではあったのだろうが。

暫く考えた後、牛は口を半開きにし声を漏らすと、次いでショックを受け固まった。

俺は興味無いながら一応眺めてはいるがリボーンは全くのノータッチ、ツナだけがハラハラする中、何かが軋む音が響いた。
続いて何かが落ちる音。

「くぴゃあ!」

そして牛の悲鳴。

つまりは牛が落ちたに過ぎないが。

窓辺に駆け寄りあーうー唸るツナを観察しているとリボーンが勉強の再開を促した。
ツナが躊躇いがちに座ると、今度は部屋の扉がけたたましく開く。

「ガハハハ!久しぶりだなリボーン!オレっちだよ、ランボだよ!」

どうやら牛はランボというらしい。

こいつはリボーンを知っているような口振りだがリボーンはこいつを知らない(というか存在自体抹消してる)っぽい。

一方的な対抗心を無駄に燃やすランボは無視された事に激昂し今度は包丁を取り出しリボーンへ突進した。

しかしリボーンはランボの方も見ずに奴を壁へ吹っ飛ばし、再び何事も無かったように淡々とツナへ教えていく。ツナはあれで本当に話を聞けているのだろうか。

ランボはというと、誰かにわざと聞かせるように大声を出した。

「おーいて……何かにつまずいちまったみたいだ」

違くね?

「イタリアから来たボヴィーノファミリーのヒットマン、ランボさん五歳はつまずいちまった!
大好物はブドウとアメ玉で、リボーンとバーで出会ったランボさんはつまずいちまった〜!!」

「一生懸命自己紹介してるー!」

ツナは勉強に集中した方が良いと思う、また爆発させられるぞ。

「ってことであらためて、いよぉリボーン!オレっちだよ、ランボだよ!!」

「今の公式でこれ解いてみろ」

あくまで無視の姿勢を崩さないリボーンへ曖昧な返事をしながらツナは言われた通り問題を解いていった。

「あ!今回はいろんなおみやげイタリアから持ってきたんだよな〜っ」

それでも挫けず持ち物を漁るランボ。ある意味凄い。

「えーと……4、かな?」

「そうだぞ、4だ」

リボーンにことごとく無視され遂に泣き出しながらも雰囲気を変えまた喋り出した。

「今回はボヴィーノファミリーに伝わる、いろーいろな武器をボスからお借ーりしてきたのだじょ〜っ」

じゃんっ。
効果音と共にアフロに手を突っ込み取り出した。

「"10年バズーカ"!!
これで撃たれた者は五分間十年後の自分といれかわる〜っ」

「!」

ドラえもんかこいつは。
お陰で我が家ののび太君が興味持っちまったじゃねーか。
だがしかし俺も気になるかもしれない、そのSFグッズ。現代の技術でそれが可能だったとは驚きだ。

「でもこれは見本展示品〜。もったいないからしまっちゃお〜」

癪に障る口調で言うランボに俺も何だか苛ついてきた。
こいつウザい。思春期のガキに一々干渉する母親並にウザい。

ランボは10年バズーカとやらを仕舞うと鞄を漁り手の平サイズの物体を取り出した。

「あららのら?これ何かしら?」

「げ!!」

「死にさらせ、リボーン!!」

そのままランボはリボーンに向かって小型爆弾を投げつけた。

だが、たかが五歳児がリボーンに敵う筈も無く(見た目年下の癖に)、ランボは小型爆弾と共に外へ弾かれた。
こいつはもう人間じゃない。
直ぐに爆発音が響き、リボーンは何事も無かったように勉強の続きを再開しだした。

もう一度言いたい、こいつ人間じゃねぇ。

「な、何もそこまで……知り合いなんだろ?」

「あんな奴知らねーぞ」

ツナの質問にリボーンは頭を振る。
じゃあランボはあれか、勝手にライバル自称する糞弱ぇキャラのポジションか。

そしてこの一言だ。

「俺は格下は相手にしねーんだ」

こいつ精神年齢何歳だよ。完熟した奴でも言わねーよそんなん。


ツナは母さんに呼ばれ下に行き、今活字を読む気力も無かったので俺は眠りに就いた。

俺を見つめるリボーンの表情なんて一切気にせずに。気にしたら負け。

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