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※ 会話文オンリー。



「ヒロインー!ただいま帰りましたあ」
「あ、お帰りなさいアレン君。リーバーさんこの資料ここでいいですか?」
「ああ、悪いが未処理のと分けといてもらえるるか?」
「解りましたっていうかアレン君重いです退いて下さい」
「や。いやですヒロイン、どうして愛する旦那が帰ってきたっていうのにリーバーさんとばっかり喋るんですか」
「何でもいいが俺を巻き込まないでくれ」
「今科学班のお手伝い中なんだから仕方ないでしょう、邪魔するならお触り禁止令出しますよ」
「ええ!?そんなっ!僕をヒロイン欠乏症で殺す気ですか!?くそ、リーバー・ウェンハム許すまじ」
「…あーヒロインご苦労さん、そろそろ上がっていいぞアレンと存分に戯れてくれ」
「えっでもリーバーさん」
「頼むそうでなきゃ俺がアレンに呪い殺されかねない」
「ですってよヒロイン!ではお言葉に甘えましょう」
「ぅ わ!ちょっとアレン君降ろしっ降ろしてえええ!」
「(何で俺が気を利かせにゃならんのだ)」

間。

「やっと二人きりですねヒロインっ!任務先でも逢いたくて逢いたくて堪らなかった…!」
「も、もう人前でくっつくのやめて下さいよ恥ずかしい、バカップルだと思われるじゃないですか」
「いいじゃないですか事実でしょう。僕は何時でも何処でもヒロインと愛を確かめ合いたいんです」
「すみません鳥肌立ったので帰っていいですか」
「この残暑が厳しい8月下旬に?寒いなら僕が身体の奥の奥まで温めて差し上げますよ」
「違う意味で極寒です。取り敢えずこの手を離して下さい重いです苦しいです」
「いーやーだー。ねぇヒロイン、キスしてもいい?」
「アレン君お酒飲んでないでしょうね」
「飲んでませんよ。強いて言うならヒロインに酔ってるのかも…」
「帰っていいですか」
「二度目ですよヒロイン、学習しない子ですね。帰すわけないでしょう?」
「私に何をしろって言うんです」
「傍にいてくれるだけでいいですよ。でもお願い出来るなら、お帰りダーリン愛してるって言って欲し」
「救いようがありませんね」

間。

「あれっアレン帰って来てたんさ?」
「ああラビ、ヒロイン見てませんか?ちょっと逃げられちゃって」
「逃げられた?んな猫みたいに」
「猫。ええそうですねヒロインは僕の可愛い子猫ちゃんですね」
「よく口に出してそういうこと言えるな鳥肌立ったさ」
「あはは、ヒロインと同じこと言いますねラビってば」
「ところでなんでお前から逃げてんさヒロインは」
「唇奪って押し倒そうとしたらイノセンス発動されまして」
「お前が悪い」
「は?」
「お前が悪い」
「どうしてですか?好きな子につい手が出てしまうのは男の性でしょう?ラビなら解ってくれると思ったのに」
「人を色情狂みたいに言うなっての。まあヒロイン見付けたら教えといてやるさ」
「お願いしますよ、では僕は他の場所を探してします」

間。

「……?んなとこで何してんだヒロイン」
「ひっ!あ、か、神田ですかびっくりした…ねえこの辺にアレン君いませんよね?」
「モヤシ?見てねえよ」
「そうですか良かった」
「何だモヤシから逃げる為にテーブルの下なんかで蹲ってんのかお前は」
「咄嗟に見付けた隠れられそうな場所がここでして」
「女子トイレとかのが確実なんじゃねぇか?」
「はっ確かにその手がありましたね!」
「馬鹿か」
「神田さんには言われたくありませんでした」
「つか何があったんだよ」
「それがかくかく然々で」
「あの変態モヤシ斬り捨ててきてやろうか?」
「いえいいんです、アレン君任務明けで疲れてるでしょうから神田さんが行ったら抵抗しきれなさそうで」
「(嫌がって逃げてきたくせに結局お前も大概だな)」
「じゃあ私もっと安全な所に移動しようと思います」
「ああ気を付けろよ」

二人の鬼ごっこはもう暫く続く。数十分後、ヒロインを抱き抱え満足げに廊下を闊歩するアレンの姿がそこここで見掛けられたのはまた別の話。


逃避行

20080821
めげないハイテンション×うざがるローテンション