帰り道、きみと。
「なまえちゃん!」
校門を出て何歩ってところで聞きなれた声に呼び止められた。
振り返れば、オレンジの頭がふわっと揺れて、なまえちゃん着替えるの早すぎ!って。
そうかな?
「部活、お疲れ様」
「なまえちゃんもマネさんお疲れ様でしたっ」
千石くんが丁寧にお辞儀なんてするから、思わずわたしも立ち止まってもう1回、お疲れ様でした、って頭を下げてしまった。顔をあげると、なまえちゃん面白いねって千石くんが笑うのが見えてその笑顔に思わずドキッとしてしまう。
「あれ?」
「ん?どしたの?」
「千石くんてさ、」
彼の姿をみてふと気付く。なんだか今日の彼はいつもより身軽な気がする。
「チャリ通じゃなかったっけ?」
「あー、」
今日から電車にしたんだ、ってまた笑う彼にまたドキッとする。(きっとわたし千石くんの笑顔に弱いんだ!)
でもなんで?って返したら、今度は笑顔じゃなくって、すごく真剣な顔で、なまえちゃんといれる時間が欲しかっただけって言ったら信じる?、なんて言うから、ドキドキドキドキ心臓がうるさくなって。
「この道がいつまでも続けばいいのに」って言ったら、彼はやっぱりわたしが弱い顔で笑うから、やっぱりドキドキがとまらないんだ。
帰り道、きみと。
素敵な企画に参加させていただきありがとうございました!
20120402 論理的論理 ネロ
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