ぜんぶ、すき | ナノ













「あー気持ち悪いわ」


「酔っ払い?」


「うぇっ…」


「二日酔い?」




昨日、飲み過ぎたせいか二日酔いになってしまったらしい。やばい、何もやる気がでない。

おい、そこ。

いつもだろ、とか。それはあれだ。まあ、なんだ。そんなことはない。


しかし、この部下ときたら、俺がダウンしているにも関わらず、苦しんでいる様子をキラッキラした瞳で嬉しそうに見つめている。




「ねねね、たいちょっ」


「ああああ」


「たいちょっ?たいちょっ?」


「うううぇ」


「たいちょっ?吐きそう?」




何が楽しいのか、俺の周りをピョンピョンと跳ね回りながら、ひょいっと俺の顔を覗き込む。







「ああ、もう吐いてすっきりしたいわー…」



「わかったよー!」




ああ、耳元で叫ばんといてや…。





元気よく返事したあいつは、なぜか俺が座っている椅子の背後に回った。








「ぎゅーっ」


「痛たたたたっ!な、何すんねん阿呆っ!!!」


「あれ、ダメ?」


「だから何がやっ!?」




いきなり俺の頭に親指を力一杯押さえ付けられた。痛い。痛すぎる。いったい何をしようとしてんだか。







「つむじ押したら、ゲロになるんだよ」


「……それゲリの間違いちゃう?」


「……………。」


「……………。」


「間違えちゃった?」


「この阿呆っ!」




頭を摩りながら、恨めしげに部下を見遣ると、奴は悪びれた様子もなく、ニッコリと微笑んだ。







「ごめんね、たいちょ。あんまり魅力的なつむじだったから、押さずにはいれなかったの」


「嘘こけ。迷信がほんまか嘘か試したかっただけやろ。」


「…………。」


「…………。」


「………てへ☆」


「この阿呆がっ!」





自分のつむじでやれ、というとあたしのゲロが見たいの?なんて。だからゲr(強制終了















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テーマ「人外ファンタジー」
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