03
「ただいまー」
「あれー。マミちゃん朝帰りじゃなかったのー?」
「うるせー!!」
うわーんと俺に帰宅早々抱きついてくる。この様子じゃ
「なに、振られた?」
「…うわあーん!!!」
こいつぐっさり言ったー!オブラートに包まないで言ったー!!
ぐしぐしと泣くマミに爆笑。それ聞いてマミまた号泣。
「どーせ弟にしか見れないとか言われたんだろ」
「うっううーー!」
「図星か。やっぱりな」
はは、笑い止まんねえ。
俺があまりにも慰める気がないからか、ふてくされた顔で見上げてくる。
「もう泣き止んだんか」
「……うるせー」
泣いたから疲れた、マミがソファに寝転がる。
なんだか今日は気分がいい。
ちらりとマミを見ると、まだいじけてやがる。ぐじぐじと「どーせおれは…」とか「最近恋愛運が悪すぎる…おひつじ座はだめなのかー」とかもはや星座に文句言ってやがる。
「いいじゃねえか、当分恋なんてしなくて」
「えー?」
「恋愛だけが大事じゃねえだろ、高校生。馬鹿騒ぎして適当につまみ食いしてればいーだろ」
「最低キミちゃん!!」
「ははっ」
一昔前の少女漫画みたいな反応のマミに笑いを零す。
「正直アヤコもいいけど、俺も恋しかったろ?」
「……」
「おら、吐けって」
「…まー、アヤコちゃんと一緒にいるのも楽しいし、アヤコちゃん大好きだけどー」
「前フリがなげえ」
「…しょーじき、君ちゃんと一緒にいないと物足りないって言うかー、ぶっちゃけセンセーにふられたとき慰めてくれて、ちょっと、きゅんときちゃったりねー」
しちゃったのよ!なんちってなんちって!!!
きゃーっと真っ赤に染まった顔を手で隠しながら、ごろごろとソファで暴れるマミ。背中からその振動が伝わって骨がゴリゴリといてえけど。
「あー抱きてー」
「え?誰を?欲求不満ですか君ちゃん」
「まあなー…」
――――ああー…はいはい、わかりました。
そうだよ認めますよ、俺は男に欲情しました。
つーか中学のときマミに会って、ずーっとそう思ってましたー。
はいカミングアウトねこれ。けっこう爆弾落としたね、俺。
つってもホモじゃねえよ、マミしか受け付けれねえ。他の男とか気持ち悪くてまじで無理。サブイボ出る。あの保険医とかも俺に対して色目使ってきやがって、まじできもい。
マミだったら、出る穴につっこんでも男の喘ぎ声も全部おっけー。
これってもう、愛だろ愛。
おっぱいも大事だけど、まあ、それとこれとは全然別次元の別問題。
重要度は、上についてるやつよりも、下についてる人(やつ)のが高いとか、俺も落ちるもんだねー。
ノンケ同盟隊長は、平よりも先に男に目覚めてましたとさ。
あーあ、言っちゃったねこれは。
最初三枝のことが好きって言われたときは、完全に三枝ぶっ潰したろうと思ったけど、あいつがからかい交じりでマミを見てたから。
マミが傷つく?知ってたよ、最初から。この恋の終わり方なんて、だいたいこんなもんだろーとは思ってた。
全部最初からわかってて、俺はマミの背中を押した。
―――――そうしたら、何かが新しく芽生えるかもしれねえだろ?
全部、それはマミを俺のものにするための、計算だった。
そんなこと言ったら、俺のファン、減るかねー。
「そういやアヤコちゃんから、君くんにって手紙」
「今時手紙て…」
「いいから早く読め!」
呆れ交じりにアヤコからの手紙を開く。ご丁寧に糊付けまでしてやがる。俺こういうの剥がすのむちゃくちゃ下手くそなんだけど。うわ、びりびりになった。
――――君くんへ。
ヤンデレ攻めもいいと思う。
男同士の恋愛の攻め方だったら、今度あたしがレクチャーしてあげる。
あたしは君くん×マミリンを応援してるから。
ps,浮気攻めは感心しないし、女遊びがひどすぎるのもマイナス。
今すぐやめなさいよ。
アヤコ
……恐れいりました。
おわり
な ん ざ ん でした。
アヤコちゃんオチにもってきてすみませ…!
今度二人の会話文を書きたいなーと思いつつ。ではでは!
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