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「や、やです……っ」
「はは、んなこと言われても離さねえから大人しくしとけよ」
そしてベッドにまた倒される。さっきと違うことは、櫂が真珠の上に乗っているということだけ。
「なに、なんでこんなことしようとしたわけ?」
「あ、あぅ…」
「金?」
「……」
「やっぱりね」
はあ、とため息をつく櫂。そのあとの不機嫌な顔でさらにびくつく真珠。
「いくら要求したの」
「…お、かねじゃなくて、プラネタ、リウム…」
「は?」
「プラネタリウム、が、ほしいな、って…」
言葉にするとすごく間抜けな要求だと、顔を赤らめる真珠。
その様子に初めはあっけにとられた様子だったが、次第にくつくつと笑みをこぼし始めた。
「はは、プラネタリウムか。星好きなの?」
「あ、好きです」
「そっかー。だから女装までしちゃったんだ」
「え」
またもや驚く真珠に、にこりと本当に心の底から笑った櫂が
「だから最初から言っただろ。彼女じゃなくて、恋人って」
そういえば、来たときからずっと、彼女って言われたことなんてなかった―――。
気づいた事実に、またさっと羞恥に顔を赤らめる真珠。
「まあ、説教しに来たわけじゃないんだ」
「…え」
じゃあなにこの体勢は。
一気に不信感に顔をゆがませる。
「一目見て、俺のモノにしてえって思ったんだよね」
「…え?」
ぐいっと顔を近づけられて縮まる距離。
「柳とはヤった?」
「ヤ――、そんなことしてません!」
どんっと怒りで胸を押し返そうとするけれど、線が細くて儚いと言われるほど非力な真珠の力で、成人男性の体が押し返せるはずもなく。
「甘いね」
逆に両腕を掴まれて、抵抗できなくなってしまった。
「真珠」
「――っな、なに…っ」
「お前の賭けはばれたことによって負けだろ?」
「…っ」
「それ相応のリスクは負わなきゃ、だめだよなあ?」
―――大人はからかっちゃいけません。
泣きながら抵抗する真珠をすべて無視して、とろけるような快感をたたき込んだ櫂。
目が覚めたとき隣に櫂が寝ているのを見て涙で腫れぼったくなった目をこすり、死ね!と顔面に肘鉄を食らわせ豪邸から飛び出した。
だけどそのあと車に乗って追いかけてきた櫂に拉致され、個人の別荘だというコテージに連れてこられ、夜に満点の星空を見させられた真珠。
「プラネタリウムなんかより、断然いいだろ」
「………」
(やっぱしお金の方がすき)
おわり
櫂さんも庵さんも、ひつの書く大人の男はみんなむちゃくちゃだ!!
頑張れ真珠ちゃん。
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