時折思う。
俺は間宮の傍にいていいのかって。

純真無垢ににこにこ笑顔でいる間宮の隣にいると、どろどろした独占欲の塊の俺が醜く見えて仕方ない。
昔から女に不自由してきてなかった。溜まったらヤる、そうやって中学からずっと過ごしてきた。
マミのこと好きだったけど、溜まってくる性欲には逆らえなくて。一人でスるのもむなしくなって、代替品でも女を使って。

マミは中学のときからあんな感じだ。
三枝に恋するように、すべての恋に全力投球だった。
告られてもまずは友達からって言って、最終的にいい友達になったり、それか彼女になったりする。きちんとあいつは段階を踏んでいい恋愛をする。
浮気なんてあいつにできっこねえ。あいつは本当に一人しか見れないから。


「キミー」
「…あー?」

上を向くと、怪訝な顔をして俺を覗き込むマミがいた。

「さっきから何回も呼んでるのにさあー」
「あー、わりい」
「!キミが謝った!あやちゃーん!!」
「おいいちいちアヤコに報告しようとすんな。まず携帯を下ろせ。つーか俺だって謝るっつーの」

マミの過剰な反応に笑いながら、髪をぐしゃぐしゃにかき乱してやる。

「うーわー!」
「は、すげえ髪型」
「おいっ!」


マミは今日も笑ってる。

「キミー」
「あ?」
「なに悩んでるのかわかんないけど、とりあえず笑っとけーい!」
「…………ばーか」


俺の汚いとことか見せても、お前は笑ってくれるのか。


「なあ、マミ」
「んー?」
「もし俺がすげえ性格悪くて、どろどろしとったらどーするよ」
「へ」

唐突すぎた。質問が。しくった。
目を丸くして驚くマミ。だけどあいつはまたふわりと笑って。




「おれが性格いいからだいじょーぶ!」


―――――ああ、俺はこいつを愛してる。

真っ直ぐに、そう思った。


おわり



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