人目に付かないような道の脇に、人が倒れていた。

「………え、」

……人????

見ると、金髪の長身な男が、片膝に顔をうずめて座り込んでいる。
酔っ払いか?
とりあえず怖いから関わらないでおこうとスルーしようと歩いたとき、後ろからうめく声が聞こえた。

「……ぅ」
「………まじかよー」

根がいい人なおれは、もうほっとけるわけがない。
とりあえず戻ってそいつの前に座り込んで肩をゆする。

「ねえねえお兄さん、大丈夫?」
「……っぐ、」
「うわあああここで吐こうとすんなばか!」

酔っ払いだこれはー!!
とりあえず持っていた水を渡して口をゆすがせる。
…仕方ない。

「おれんち近いから、来いよ」

見ず知らずの人を家に連れ込むなんて、おれもなかなかやるもんだなあ。

立ち上がらせると、おれよりもだいぶ背が高い。
180はあるんかこれ。
ずりずりと手を引きながら家まで誘導し、中に連れ込む。
着いたときは二人ともぐったりだった。

「とりあえず…ゴー」
「…」

さんきゅ、とばかりに男は片手を上げると、ダッシュでトイレに駆け込んで行った。



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