02
走り出したはいいものの。
「副会長、ペースが落ちてますよ降参します?」
「はは、しかし副会長は後ろ姿もいいですね。」
「真っ赤な顔で睨んでも誘ってるようにしか見えませんよ。あ、誘ってましたかすいません気がきかなくて。」
無駄に淡々と話し続ける安原に追い込まれて、ついに僕の逃げ切るというプライドに体力が追いつかなくなったのだった。
「っあ、はあっ、は、っ…!!」
最後に教室に逃げ込んで、座り込んだまま立ち上がる気力もない僕のもとに安原がのんびり近づいた。
「汗ぐっしょりですね、副会長。」
「うる、さ…。」こんなにも僕の身体は熱を持っているというのに、涼しげな安原に腹が立つ。
「気持ち悪いでしょう、俺が舐めて綺麗にして差し上げます。」
「もっと気持ち悪いです。」
「副会長の汗を味わいたい。」
「どうしてさらに気持ち悪く言い直すの。」
押し返す力のない僕の首筋にぽすりと安原の頭が埋められた。
「すいません、本心です…ん、本当は、舐めるくらいじゃ物足りませんが。」
「ぁ、ッん、うっ、…!、信じ、られ、な…!」
ぬる、と首筋を伝うものにぞくぞくと震えが走る。
っ気持ち悪い、気持ち悪い!
変態にも程がある…!
「嬉しすぎて泣きそうです。」
「っふ、気持ち、悪すぎて、…ゃ、泣きそうです。」
「本当ですか、涙も舐めさせてくれるんですか。」
だめだ、もはや変態とは言葉が通じない。
「ん、勝手に、解釈しないでもらえます、ぁ、ふ…っ、…っ泣き顔見たくないとか、言えないの。」
「むしろ見たいです、あんたの涙舐めるのは俺の役割なんで。なんで一人では泣かないでくださいね、必ず俺の前で泣いてください。」
「…。」
「あれ、あなたが無言だなんて照れてます?」
「だから勝手に解釈しないでもらえますか、素直に引いてます。」
する、と突然手を握られて、気持ち悪さに安原を見上げれば
「そろそろ時間ですので、捕まえておかないと。」
と笑った。
「いーち。」
握った手に力が込められる。
「にーぃ。」
再び首筋に顔が寄せられて。
「さーん。」
つつ、と舌が首筋を伝う。
「よーん。」
耳元にたどり着いた唇が囁いて、
「ごーぉ。」
ぱく、と耳たぶを甘噛みされる。
「ろーく。」
ぺろ、とまた舌が動いて、
「なーな。」
濡れた耳に息が吹きかけられた。
「はーち。」
目尻に唇が触れる。
「きゅーう。」
それが口の横に移動して。
「じゅーう。」
指だけが唇に触れて、安原のそれは額に落とされた。
「…っ、あ、ぅ…、……!!!」
カウントとともに火照りを増した身体を床に投げ出した僕に、ようやく待ち望んだ鐘の音が届いた。
「っ気持ち悪い気持ち悪いあり得ない…!!!シャワー浴びたい洗い流したい信じられない気持ち悪い!!」
両手で(安原に触れられたところを素手でなんて触りたくなかったからカーディガンを指先まで伸ばして完全防御)顔を覆い隠して言えば、その手を安原に剥がされて、開けた視界に入る意地悪い笑顔。
「ところで副会長。鐘が鳴ったからといって、俺が素直にあなたを生徒会室に返してあげると思います?」
「……え?」
end
開設当初からストーカーのように行ってました。
リク内容は「安原と副会長のでろでろ話」でしたが見事ひつがでろでろにされました…!!
ぜひ気になった方はbkmからゆうちゃんのサイト青春日和。の「予定は未定」へどうぞ!
親衛隊長×副会長ですよ…隊長がほどよく変態で大好きです…。副会長はツンデレですし、悶えますよ…!!
ゆうちゃんありがとうございました!
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