08
「…ちげえ。あのさ、確かに茜のことには腹が立ってたぜ?けどそれはお前が泣いてたから許せねえなって思っただけで、実際そこまで興味なかった」
「――――え?」
隼くんの口から飛び出した驚愕の言葉に目を丸くする。
「なのにお前一人でちゃっちゃと乗り込んで、挙句の果てには名前呼びして毎週一緒にいるほど仲良くなって。俺の連絡は無視して、週末にも俺の部屋に来なくなって」
「あ、新は友達だし、それに副総長とかもいるよ…?」
「お前が俺以外と仲良くしてるっつーのが、もう俺的にはアウト」
「…え?」
「お前に漆原の話をしたのは、茜と漆原をくっつけるため。あいつバレバレだったし。茜が彼氏と別れてからお前にべったりだったからただでさえ腹立ってたから、付き合うことになったらお前をまた独占できるって思ってたのに」
この人は、誰。
「怯えんな、葵。俺はお前のことが好きで好きで仕方ねえだけなんだから」
「ゃ、やだ……」
「あー可愛くねえこと言う奴は、体で言うこと聞かせた方がいいか?」
なにそのAVみたいなセリフ!
いつもなら笑って言えるつっこみも、していたネクタイをほどいて本気で僕の手首を縛ろうとしている今の隼くんには、言えなかった。
酷使されてくたくたになった体は、もう1ミリも動けないというほど。昨日は言葉通り、本当に溶けるほど愛された。離して、と言うことは早々に諦めた。
――愛してる、愛してる。
耳元で甘く囁かれながら、すべての情事は行われた。
舐めて、吸って、挿れて。そのときもそうやって甘く溶けそうな声で言うから。
「隼くん、ほんとに僕のこと大好きなんだね」
思わず笑ってしまった。
最後は自分から腕をのばして、ぎゅっと抱きついたりもした。それにうれしそうに口元を上げて笑うから。
僕よりも茜のことを好きになる人が多い。
けれど、僕のことを好きになる人は、たいてい長い期間片思いして育ててきた、重い恋を抱いている。
「隼くん、加減しないともう抱かせないよ」
「それは困る」
「てか新に嫉妬して殴るのとかやめてよ」
「それだけお前のこと愛してるってことだから」
「重い」
とりあえず、この隠せないほどのキスマークはどうしよう。
end
本当にお待たせしてすみません!!!
「双子と浮気攻め」とかいう素敵なリクエストをもらったのに……。不完全燃焼です><
しかも最後は無理やりって感じだし、もう…orz
書いても書いても終わらない文量に、2時間の作業用BGMを2回ほどループしてちまちま書いてやっと完成しました。
反省点がいっぱいですが、初めてのキリリク小説、読んでくださったらうれしいです。
初めてのキリリク、とてもうれしかったです!!
ありがとうございました!!!
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[mokuji]