全校集会のとき、長老が定年退職をするときに花束を贈呈したあいつが見せた涙。 それに下半身がうずいた。 こいつを抱きてえと初めて誰かに思った瞬間だった。 そしてそのあとに見せた、あいつの――――。 「………くそ」 思わず舌なめずりをしてあいつを見つめる。後から目が血走っていて、肉食動物みたいだったと何人かには言われた。 あいつが欲しい。 ヤれればいいと思っていたが、それだけじゃ足りねえ。 枯渇している。あいつを手に入れてえ。 体も心も――――。 小動物を愛でる以上の感情が沸いちまったときは、しょうがねえだろ。 そのあとは、茅に対して違う感情を持って接することになった。 茅は笑うのもいいが泣き顔もたまんねえと思う俺としては、泣かせてやりてえもんだが、俺と同じようにあの時から完璧に茅に対する気持ちを自覚した志摩が邪魔してくるからそうはいかねえ。 「茅ちゃーん!」 「僕たちお菓子作ったのー!」 「「食べて食べてー!!」」 「あ、ありがとうございます…」 無邪気に絡んでくる双子に、笑みを浮かべる茅。 瞬間むらっとする俺。 嫌な予感に気づいたのか、恐る恐る俺のいる方へ振り向く。 「かーや」 指を思い切りかざすと、ぶあああと涙をためた。 ――――あーたまんねえ。 「おい藤、茅なかしてんじゃねえよ。啼かすならまだしもよ…」 「っひく、かいちょ…」 デコピンをするふりをしただけで泣く茅にご満悦な俺とは違い、横から茅をさらい慰める志摩。 「……茅、ないちゃ、だめ」 「ひく、は、はい…っ」 デコピンがどうやら相当トラウマだったみてえだな。 まあ泣いてる茅を見ても、ムラムラするだけの俺はいかれちまってるってことで。 おわり 藤くんは茅ちゃんをいつまでもいじめててほしいです。 ← | top | → ×
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