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「??わかんないけど、ちゆのこと好きなら、やだー!」
「うっ、そ、そっかー」

それを訳も分からずはねのけるちゆ。さすがおれの妹!
その返答に撃沈した羽柴さん。これで諦めてくれるかと思いきや、すぐに回復しやがった。

「じゃあ、ちゆちゃん、せめてあと3年は遊ばせてください!」
「いーよー」
「ほんと!?」

なにこのコント。絶対ちゆ分かってないだろ。
潮さんもため息ついてる、「5歳児に…」てちゆ馬鹿にするのは許さねえぞ。

「わかったー、じゃあそのあとはちゆちゃんが俺を相手してねー」
「うんー」
「!?!?おい羽柴ふざけんな!!」

いたいけな5歳児になんつーことを!!
周りもドン引きしてんじゃねえか、自覚しろロリコン!!

「はーくんー」
「なにーちゆちゃんー」

…羽柴さんの顔が、あんまりにもどろんどろんで満面の笑みだったから、文句を言おうと思った声はしりすぼみになった。
まあ、すぐに飽きるだろ…。


「千景」
「はい?」

ちゆを羽柴さんに独占されたおれは、しぶしぶ潮さんと一緒にカウンターから離れたソファに二人で座る。チームの奴らは適当にどんちゃん騒ぎをしてる。だけど全く潮さんと羽柴さんの近くに寄り付かないところは徹底してる。

「……さっき、バカが言っただろ。女連れ込んでたって」
「あ、はい」
「それ聞いてお前、どう思った…?」
「…?別に」
「あ゛?」

正直な感想を言っただけなのに、ガンつけられた。意味が分からねえ。
なんとも思わなかった、…あーそういえば。

「理不尽だと思いました」
「…理不尽?」
「はい。あー、おれが女と関係あったって勘違いしたときは切れる癖に、自分はいいのかよと」
「……」

確かに、それは理不尽だろ。
ちゆを彼女と間違えられて、無理やりヤられそうになったときがあった。
あのときおれは本当に怖かったっつーのに。

「……理不尽か」
「はい。おれのこと前から好きだとか散々言ってたくせに、女は抱けるんですね」

あ、言い方しくった。めんどくせえ女みたいじゃねえか、おれ。
今のなしです、すぐ訂正しようと見上げたとき、潮さんが目を丸くしてた。

「…どうしたんすか」
「……ああ、いや」

はっとしたと思うと、次はくっくっと片手で顔を覆って笑い始める。
どうしたんだろう、頭でもぶったんだろうか。

「千景」
「――っは、い」

びっくりした。いつもはちいって呼ぶのに、名前呼び…。
びびりすぎたのか、心臓が早鐘を打っている。

「悪かった。もう理不尽なことはしねえ」
「…はあ」
「代わりに、お前しか抱かねえ」
「はあ…――はっ!?」

にんまりとおれを凶悪な笑顔で見てくる。隣同士に座っていたはずなのに、いつの間にか、こんなにも顔が近く―――つーかおれ、押し倒されてんじゃねえか!!

「羽柴は10年後にしか手は出せねえけど、俺は違うだろ?」

――だってちいはもう16歳だもんな。




「ちょ、ま、ここじゃや、」
「ここじゃなかったらいいのか?」
「いや、そういうわけでは…」
「……」

首元に吸い付くな!胸をまさぐるな…っ!!

「や、やめてくださいって…!」
「じゃあ、俺の家でいいな?」
「……」
「ほら、言え」
「へぁ?」

ようやく吸い付くのを離れたと思ったら、ありえない一言。

「潮さんの家でしてくださいって」
「い、言えるかばかやろおおお!!!」




――――潮さんの家で、してください……っ!



そう息も絶え絶えに行ったのは、上半身を存分に舐め回されてからだった。



おわり


ちーちゃんはとうとうおいしくいただかれました。




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