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それからどこにいてもなにをしても、ちらつくのは真白の顔。
悩んだ末に自分の親衛隊長だったセンパイに相談してみると、「おせきはーーーん!!」と絶叫しながらどっか行った。あの人は昔から変だった。

そのあと会長に就任することになった俺に、会計親衛隊長からの最後のおせっかいです。最初言われたときはなんのことだと思ったけど。
音楽室に来いっていきなし言われて、不審に思いながらも行ったら、真白がいて。



「は、はじめましてっ、このたび、会長に新しく就かれた椿響汰さまの親衛隊長になりました、霞真白です……っ」



く そ か わ い い 。
真白が俺を見て、俺だけを見て、話しかけている。
心臓がうるさすぎて自分がなにを言ってんのかわかんねえ。だけど真白が傷ついた顔をしてたから、しくったとは思った。
いっぱいいっぱいになって真白を置いて音楽室を後にする。もちろんこんな襲うのに適した場所に一人にするはずもなく、すぐにセンパイを呼んだ。

二人きりになったら我慢できずに押し倒す自信があったのに、まさかうまくしゃべれねえなんて。
予想外の事態だっつーの。
東海林にも馬鹿にされるは、呉哉はにやにや鬱陶しいは。
どっから漏れたのかは知らねえが、俺が真白を好きだっていうことを聞いて、もはや真白以外の生徒や教員が俺を応援してる生あたたけえ空気が流れてるのも気に入らねえ。
つかなんで気づかねえんだ真白は。


こんなに真白のことを思っているのに、いざとなったら緊張してなにもできないしなにも言えない。
このせいでピュアップルとかヘタレとか言われてんの、知ってんだからな、俺。




――――…まあ、ピュアップルっつーのは、真白とカップル扱いだから特別許してやるよ。




おわり


来栖視点だとリクエストと外れると思ったんで急きょ響汰視点も。
久しぶりに書いたけど、この子こんなへたれてましたっけ。



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