03



「真見、どうした…?」
「え…?」

生徒会の仕事が終わったあと、静間に残れと命じられ今は生徒会室で二人きりである。
副会長以下の3人は我先にと一目散に部屋から出て行った。

「なん、にもだよ…?」
「嘘だね」
「ふぇ…?」
「いつも何かあったときは俺を呼んでたじゃねえか。今日はどうした?」
「う…」

正直に理由を言うのも恥ずかしかったので何もいえずもごもごしていると、いつも自信に満ち溢れている静間がとたんに眉を寄せ、心底弱り切った声で聞き返した。

「一日だけでも、お前にそういう態度とられると、堪える…」
「っ!」

思わず静間の顔を見ると、本当につらそうに顔をゆがめているから。
真見はまた自分がなにか迷惑をかけてしまったんだと、泣き出した。

「さな――」
「っえぐ、だって、会長にあんまり迷惑かけないように、しなきゃって、思って…っ」
「…迷惑なんて、誰が言ったんだ」

ゆらり、と静間のオーラが怒りで纏ったのに気付かず、真見はぶんぶんと首を振る。

「ちが、だれにも言われてないよぉ…」
「じゃあ、どうして…」
「だって、だって…」
「…ん?ゆっくりでいいから、落ち着いて言ってみろ。な?」

誰だ、そんな適当なことを言ってるのは。と最初は真見にそんなことを吹き込んだ奴に対して怒りを持っていた静間だったが、どうやら違うと気づくと、瞬時に怒りを鎮めた。
そして生徒会室に置いてあるソファに誘導すると、真見を座らせ、ぽすぽすと落ち着かせるようにゆっくり優しく真見の頭を撫でる。

「か、いちょ…」
「ん?俺がなんだ?」
「かいちょ、に、迷惑だと思われて、」
「…うん」
「嫌われたく、なかったから……」

えぐえぐ、と泣き続ける真見の吐いた言葉に、静間の手が止まる。

「――――それって、」
「かいちょ、いつもおれのせいで仕事中断しちゃうから…」

あまりにも可愛い理由に、静間の胸の鼓動が一気に高まる。
体中から、目の前で震えている子に対して、愛おしさがこみ上げてく。

「――――真見」
「……え」
「いつもしてるじゃねえか」
「…?」
「呼ばれた後に、キス」

その言葉に、あっ!と真っ赤になる真見。

「あれが俺にとって、お前から貰うご褒美だったんだけどな」苦笑交じりに言いながら、手は頭から頬に滑っていく。
やがて顎を捉えると、

「今までは、真見のあわてる顔とか、悩んでる顔とかが可愛くて言うのはやめてたんだけど」
「?」
「もう遠慮しない」

くい、と顔を静間の方に持ち上げられ

「――――愛してるよ、真見」

誓いのキスのように、優しい口づけが真見の唇に落ちた。
静間からの言葉にいまいち思考が追い付いていなかった真見も、やっと自分の身になにが起こっているかが分かって。
とても幸せだと、今度はうれし涙がぽろりとこぼれた。

「おれも、愛して、ます…」



「…やーっとくっついたか」
「そうだね」
「でもさあ…」

次の日、生徒会室に来た3人の目の前に広がっている光景。
それは

「ここでヤらなくてもね…」

生徒会室からつながる仮眠室で、裸のままお互い幸せそうに寝息を零す静間と真見の姿だった。

「まあ、お幸せにね!」

かき集めた制服を丁寧に畳み二人のそばにそっと置くと、本当にうれしそうに副会長がつぶやいた。


「多分僕が思うに、くっついたからますますラブラブオーラ見せつけられると思うよー」
「私もそう思います…」
「俺も…」



end


頼りがいがある、で脳内ひつ数人で審議した結果機械に強い人ってなりました…。





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