04


ベッドで転がって今日のことを思い出す。
朝帰りどころか夕方帰りという行為をしてしまったせいで、空はすっかり夕焼けに染まっている。

「あー…もう…」

ぐるぐると考えていると、いきなし携帯が鳴る。登録してない番号からの電話だった。
誰だ、と思いながら出ると――――

『無事に着いた?』
「―――――っ!?!?」

さっきまでおれの一番近くにいた人からの電話だった。


「庵さ―――」
『お、ちゃんと名前で呼んでくれてるね』
「なんでおれのばんご――――」
『ちょーっと携帯拝借しちゃった、ごめんね』
「ごめんねって…」

全然気持ちこもってないよ!
思わず心の底からつっこむと、くつくつと笑う声が聞こえる。

「てか庵さん!」
『なに?』
「き、キスマーク!!つけすぎ、っていうかなんでつけたんですかっ!?」
『えー?』
「み、見られちゃ――」
『相崎くんに?』
「――――っ!!」

庵さんから出た名前に、どきんとする。
なんで知って――――!

『昨日連れ込むときぼそって零したの、覚えてない?』
「…おぼえ、てない…」
『そう。まあそのときの様子とか誘ったとき言ってた言葉とか照らし合わせると、ハルくんの片思いの相手はこの子だなーとは予想ついてたよ』
「…なのに、抱いたの…?」
『悪い大人だからね、俺は』

悪い大人。
それを本人が言うとは思わなかった。


『じゃあ悪い大人らしく、もう一個白状』
「……え?」



『――小野寺美晴、3年A組4番。学籍番号は――』
「えっえっえ…!?!?!?」
『これも拝借しちゃった』

学生証…!?
パスケースに入ってなかったっけ…!?
学園で財布代わりにもなっている、無くしたら個人情報さえもすべてばれる学園の生徒が絶対に盗まれてはいけないもの。
外でなんか出す機会なんてなかったから、てっきりあるとばかり――――!!

「ちょ、庵さ―――ー!」
『一夜だけの関係だと思った?』
「―――――っ」
『相崎を忘れるためだけの夜だと思った?』





「――――あーあ、悪い大人に引っかかっちゃったね」



――――返してほしければ、また、俺のマンションに来なさいね。




おわり


間違って消去したものを書き直しました!
内容忘れてたんでもはや新作ですw



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