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「お前、そんなこと思ってたのか」

ぼろぼろぼろ。声は出ないから、その代りぶんぶんと首を振ってそうだよと示す。
そしたら、ぼこって頭にげんこつ落とされた。

「い、いたっ!」
「ほんとお前は馬鹿すぎ」

いきなしの攻撃に何が起きたかわかんないおれ。涙も止まったよ、びっくりしすぎて。
そしたらぐって両頬を信に外側にひっぱられる。

「い、いひゃい…」
「なに不安になってんのかわかんねーけど、恋愛ってひとりでするもんじゃねえだろ。ひとりで溜め込んで勝手に結論づけんな」
「ひゃ…」

そのあとひっぱられた手がぴって離れて、またぎゅうって今度は頬を押しつぶされる。
ひょっとこみたいにつきだした唇に、ちゅってリップ音。
ひさしぶりのちゅう。
それだけで、ぽわわーって幸せになる。唇から熱がともって、あったかい気持ちが全身にぐるぐる浸透していくような、そんな気分。

「ほら、キス一つだけでこんなとろーっとした目になって。お前、俺以外としてこんな顔になんのか?」
「…にゃらにゃい」
「ったく、こんな風に、さいこーに可愛くて、さいこーにエロくて、俺のこと大好きって顔して」

――――なのに、勝手に終わらせんな、馬鹿。

そうやって、またつよーくつよく抱きしめてきて。
ようやくほっぺから手離されて、自由に動くようになって。

「信もばかだもん」
「あ?」
「おれのこと不安にさせてばっかだも」
「あー、だからゲームのことは悪かったって。ごめんな」
「それだけじゃないもんね!」
「?」

きょとんとする信のほっぺを、今度はおれがひっぱる。
間抜け、でも可愛い。

「最近、ぎゅーもちゅーもえっちもしてくんなくて、寂しかったもん!!!」

その言葉に最初はきょとんとしてたけど、だんだん意地悪な目でおれを見てきた。

「な、なあに」
「そーかそーか。旭は寂しかったのか、俺が触ってくんなくて」
「そうだよ!」
「ふーん、欲求不満だったのかー。ずっとむらむらしてたんか」
「!?」

にやにやにやと、エロオヤジみたいに笑う信に、自分がなにを言ったかわかって一気にぼんっと顔が熱くなる。

「いいぜ今日は誰もいねーし。下まで響くほど喘いでも」

まっかになって照れて俯いて、動けないおれを見て、けらけら笑う目の前の男。
ばーかばーか。

「さーて、愛を確かめ合いましょーか。欲求不満な旭チャン」
「…欲求不満なのは、信もでしょ!」
「そーね。今夜は寝かせねーぞ」

いい笑顔で言わないでよ、ばか。



次の日久しぶりだったからか、ぐったりとしたおれとは引き換えにすっきり元気な信。
なんでそんな元気なのー。
そんなこと言ったら、またされることは目に見えてるから、おとなしく信がココアを持ってきてくれるのを、ベッドに寝転びながら待ってる。


やっぱり、あいつはよゆうでおれと恋してる。
―――でもいいや。


だって、おれはあいつが大好きだし、あいつもおれが大好きだから!
ね!


「そーね」


おわり

結局は相思相愛の溺愛カップルなんだぜ!攻め>>><<<受けというこのサイトでは珍しいカップル。
ひらがなばっかで読みにくくてすみません。こういう口調の子なんです。
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