∴ 3/3 「―――お前におれは抱けない!」 「…はあ?」 いきなし冷静になって抵抗をやめたおれを不審そうに見るあいつ。 眉をひそめ、不機嫌な声を出す。 「お前は後腐れのない関係を望んでいるだろう!現に前、お前はおれに『一人に絞るとかマジ勘弁』って言っただろ!」 「なにそのセリフ、俺のマネ?似てない」 「うっせ!…じゃなくてっ、おれは違う!おれはなあ一回抱かれたらずっとお前に付きまとうからな!」 「…」 黙りこくったあいつ。これはいいんでは…!? さらに畳み掛けるように言葉を紡ぐ。 「そうしたらお前、おれのことすっげーうっとおしくなるぞ!だって同室者だしなあー、今から部屋変えるとか無理だしなあー。彼女ヅラとか平気でするし、そしたらお前自由に誰かを抱けなくなるし、この部屋も使えなくなるぞ!」 ははは! 言い切った、言い切ったぞおれは…! 動かなくなったあいつに勝利を確信したから、 「まーそんなリスク高い相手はいやだよな。おれもいやだ。だから安心してくれ、おれがお前に恋愛感情持ってるとかそういうことはないし、今のもたと―――」 「―――――へえー」「…!?」 思わず肩が震えた。 目の前でおれを見下ろしているあいつが、おれが今まで見たことのないような顔。 ―――まるで餓えた獣のように、おれを射抜いていたから。 「彼女ヅラ、執着、嫉妬」 「…っ?」 「おまけに束縛だって?」 くっくっく、とこらえきれないというように口を押え笑い始める。 何かがやばい、と気づいたときには、遅かった。 「――――いいね、上等」 「それでお前が、俺のモノになるなら」 ビリリ、とシャツが破れボタンがはじけ飛んだ。 心の中でおれは、どこから間違ったんだ、とそれだけをただひたすら思い続けて、 ―――――ブラックアウト。 おわり スケッチブックにあったネタ帳を使用。 このころヤンデレばっか書いてる。なにがあったんだろう。 |