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「―――お前におれは抱けない!」
「…はあ?」

いきなし冷静になって抵抗をやめたおれを不審そうに見るあいつ。
眉をひそめ、不機嫌な声を出す。

「お前は後腐れのない関係を望んでいるだろう!現に前、お前はおれに『一人に絞るとかマジ勘弁』って言っただろ!」
「なにそのセリフ、俺のマネ?似てない」
「うっせ!…じゃなくてっ、おれは違う!おれはなあ一回抱かれたらずっとお前に付きまとうからな!」
「…」

黙りこくったあいつ。これはいいんでは…!?
さらに畳み掛けるように言葉を紡ぐ。

「そうしたらお前、おれのことすっげーうっとおしくなるぞ!だって同室者だしなあー、今から部屋変えるとか無理だしなあー。彼女ヅラとか平気でするし、そしたらお前自由に誰かを抱けなくなるし、この部屋も使えなくなるぞ!」

ははは!
言い切った、言い切ったぞおれは…!
動かなくなったあいつに勝利を確信したから、

「まーそんなリスク高い相手はいやだよな。おれもいやだ。だから安心してくれ、おれがお前に恋愛感情持ってるとかそういうことはないし、今のもたと―――」
「―――――へえー」「…!?」

思わず肩が震えた。
目の前でおれを見下ろしているあいつが、おれが今まで見たことのないような顔。
―――まるで餓えた獣のように、おれを射抜いていたから。

「彼女ヅラ、執着、嫉妬」
「…っ?」
「おまけに束縛だって?」

くっくっく、とこらえきれないというように口を押え笑い始める。
何かがやばい、と気づいたときには、遅かった。

「――――いいね、上等」





「それでお前が、俺のモノになるなら」




ビリリ、とシャツが破れボタンがはじけ飛んだ。
心の中でおれは、どこから間違ったんだ、とそれだけをただひたすら思い続けて、
―――――ブラックアウト。




おわり


スケッチブックにあったネタ帳を使用。
このころヤンデレばっか書いてる。なにがあったんだろう。


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