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次の日、悪玉菌は一週間の謹慎処分になった。おわった頃にはすっかり反省して大人しくなり、マナに謝りに来た。今はもう声がでかいだけのただの一般生徒になった。

書記と庶務は宣言通りクビ。海外留学でもするかと思ったけど、そんなことは許してもらえず、逆に学園内で好き勝手していたことを親に怒鳴られ、残りの高校生活を肩身の狭い思いをして過ごすことになった。

会長は生徒会室で仕事をするようになった。考えを改めちゃんとセフレも切り正々堂々とマナにアタックするようになったが、少なくとも学園にいる間は絶対に振り向いてもらえないだろう。

新しく入った生徒会役員は、マナとおれの親衛隊長だから、会長の受難は始まったばかりと言っても過言ではない。

「ねえ、テン」
「なぁに、マナ」

昔はマナはおれと仲がいいところをあまり一般生徒の前では見せなかったが、最近はこうしてべったりとくっついてくるようになった。多分それをあの人は、悔しそうに理事長室から見ているだろうと思う。
実の娘(息子じゃないんだよぉ)のように猫可愛がりしていたマナに、おれは絶対に恋愛対象にならないとは言えども、べたべたと甘えられているのはあの人にとっていい光景ではないし。

おれとマナは絶対付き合うことはない。
友愛以上の気持ちはこれから先多分抱くことはないと思う。
恋愛や体の関係を伴わなくても、マナはおれの中で一番大切なひと。それは逆もしかり。どちらかに恋人ができたからって、それは変わらない。

「ほっぺの腫れはだいぶ引いたぁ?」
「ん、大丈夫です」

そっと刺激を与えないように触れると、驚いたマナが目をつむる。それがなんだかキスをねだってるみたいだったから、思わず腫れた場所に唇を落とした。

「っテン!」
「あははー、マナが怒ったー」
「ひ、人前ではやらないでくださいっ」

ぼっと真っ赤に赤くなった顔で言った問題発言に、役員用の食堂2階席のフロアが凍る。
反応は様々だった。

きゃああああ!!!!
1階の生徒たちが男が出す声とは思えないような黄色い声で悲鳴を上げ。

風紀委員たちはにやにやとこちらを面白がって見ている。

おれたちの親衛隊長はにこにこと笑いながら食事を続けていた。

その中でもやっぱり、一番敏感に、なおかつ一番面白い反応をしたのは、マナの前の席にちゃっかりと陣取っていた会長だった。
「なに会長、怖いんだけどぉ」

隠しきれないまがまがしいオーラが会長から漂っている。
わざと煽るように言ったが、ちっと舌打ちをこぼすだけで何も言わなかった。

「どうしたんですか、テンも会長も」

マナはいつの間にか自分で頼んだ食事に口をつけていた。

「別にぃ、ね、会長」
「ああ、なんでもねえよ」
「?そうですか。午後からも仕事頑張りましょうね」

ふわりとマナが笑うと、かちんと会長が固まった。長年傍にいるおれでも時々本気でときめくマナの満面の笑みに内心動揺しながら、おれもにこりと笑い返した。


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アンチ王道難しい。
会長俺様から一気にヘタレ化。
もはやパターン化だ…。



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