∴ リップサービス!(不良×鈍感、鈍感総愛)


最初に言っておきますが、女の子がボクはすきです。
童貞喪失は高校1年生の秋、年上の人に…。えへへ。
ボクのスウィートメモリーはまたあとで語るとして、今は目の前のこの人が問題ですわ。

……だからこうやって押し倒されても無理やりちゅーされても、乳首さわられ、ってそれはちょっとストップウウウウ!!!

「はいはいはいはいやりすぎですよ罰ゲームだと言っても!!!」
「―――――あ゛?」

いやん。
目の前の不良さんが怒ってらっしゃる。
だって赤髪だし胸元はだけすぎだしピアスじゃらじゃらだし、この人どっかの族の総長やってるって聞いたし。
そんな彼に屋上に呼び出されたときは、そりゃあびびりますよ。
嫌いだったら呼び出さないだろうし、というかボクとこの人まったく接点ないし。
学年もクラスも出身中学も違うし。ボクはこの人と違ってぱっとしないし。

「もうお開きお開き。なんですか、最近は罰ゲームと言ってもこんなことまでするんですか」
「………なんで罰ゲームって知ってんだよ」

素直か。
思わずつっこもうとしたけど、それはいかんいかんと口をつぐむ。殴られたらだって痛いし。

「ちゅーくらいなら我慢できますわ、けど「ちょっと待て」え」

乳首さわるのはやめてちょーよ。言い切る前に赤髪の不良がちょっとびっくりしたようにボクの言葉の続きを止める。

「お前、男にキスされてもなんも思わねえのかよ…?」
「はあ?だってこの罰ゲームのターゲットにされるの何回目だと思ってるんですか」
「……は?」

なんなんだ。近頃は手頃なオトコ(この場合はボクね)にちゅーする罰ゲームがはやってるのか。
そんな風に思うくらい、頻繁に呼び出されてはボクとまるで接点がない美形が無理やり唇を奪っていく。

「そんなにターゲットにしやすいのかなボク」

魅力的な唇なのかな。チャームポイントが一個できたぞー。

「…っち」

目の前で不良さんが舌打ちしたー!こわいよー!

「……ちなみに誰に呼び出された?」
「え?…えーっと、生徒会長にサッカー部キャプテンに風紀委員長に、えーとえーと「もういい」そうですか?」

女の子にやるのは問題だから、まあ男のボクが変態たちを阻止していると言えば聞こえがいいかなー。うん。

「くそ……あいつら卒業だからってラッシュできやがったな………」

んー不良さんが一人怖い顔してなにか言ってるけど、怖いから何も聞かないとこーっと。


おわり


ちなみに不良さんの罰ゲームは「好きな子にキス」だよ。
他の人たちは卒業する前に1回くらいボクとぶちゅっとなだよ。


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