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「ええー!?!?」
「なんだよタロ、不満なのか?」
「え、えぇー…?不満じゃないけどぉ…」

確かにすずちゃんって、そんな対象に見たことなかったからあんま気にしてなかったけど、男らしい整った顔してるしなぁー。それこそサト並かそれ以上。さらに大人の色気ってゆーものがすずちゃんにはありますしねえー。チワワたちなんか最初すずちゃんが担任だって聞いたとき、一斉に黄色い声出してたしぃ…。

「でもすずちゃんセンセーじゃん」

そうそう。爽やかくんが口をはさむ。
でもすずちゃんはまったく動じることなく、にやりと笑って(それ見てチワワが鳴いた!)

「男同士の恋愛がもう禁忌なんだ、先生も生徒も関係ねーよ」

くい、っとおれの顎を持ち上げると、そのままちゅうっとおれの唇に軽く触れる。

「「「きゃああああ!!!!」」」
「「「おおおお!!!」」」

まわりが発狂する中、おれはまったく動くこともできずすずちゃんの唇に懐柔され、ちゅうが終わった時は足に力が入らなくなるほどへろへろになっちゃった。

「す、すずちゃ…っっ!!!」

しかもすずちゃん、みんなの前で普通に舌入れてきたっっ!!!
真っ赤になってぽかぽかとすずちゃんの胸を叩く。

「猫パンチ並…」
「すずちゃんのばかばか!!!」
「あー、まあ怒るなって。キス、嫌じゃなかったろ?」

その言葉にはっとする。そうだ、おれ、キス…嫌じゃなかったぁ…。
こくん、と頷くと、それにまた笑みを浮かべて、

「じゃあ俺は今日からお前の浮気相手なあ?決定ー」

とんとん拍子に話は進んで、いつの間にかそうなってた。

「じゃあイインチョ、あとは頼むぜー」

チワワたちが発狂、他のクラスメイトたちは少し顔を赤くしている。そんな中委員長は、鼻を押さえながらすずちゃんに向かってぐっと親指を突き出すサインをしていた。なぞぉー。

「ぐっじょぶすずちゃん…まさかの急展開、おいしいです…!」

そのあとすんごいスピードでみんなをまとめ上げた委員長にはみんなびっくりしていた。

「すずちゃん、あの、本気でやるのぉ…?」

別にサトのことは嫌いじゃないし、なんか急展開すぎてついてけないー。ちょっと罪悪感もあるし…。

「大事なお前のためだしなー」
「…すずちゃんって、ほんとは生徒思いのいいセンセーだったんだねえ…」
「…」
「わざわざ浮気相手になってくれるとか…」
「―――ー浮気から本気にさせてやるよ」
「?なぁにすずちゃん」
「なーんも」

1時間目をだいぶオーバーしながらも、ゆったりすずちゃんは教室をマイペースに出て行った。


こうして、おれとすずちゃんの不思議な「浮気」ははじまったのだった。


おわり

教師と生徒大好き。
10歳差とか大好き。
タロの口調迷子ですみません(´・ω・`)


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